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ミツバチ異変

 ミツバチが減っているらしい.
 ニホンミツバチではなく,セイヨウミツバチの話でしょうね.大量死亡,大量失踪ということで,原因は不明だとか.
 ミツバチが減ると花の受粉ができない.するとイチゴなどの果物が結実しない.蜂蜜もとれない.ローヤルゼリーもプロポリスもとれないから医薬品とかサプルメントにも影響するだろう.
 そして,かのハウスバーモントカレーもついに大幅値上げに踏み切った,という話はないけれど,まあ,いろいろ影響があるだろうことは想像にかたくない.何とかせねば,というニュースが乱れ飛んでいる.恥ずかしながら私はテレビで報道されるまで,そういう問題にあまり注目してませんでした.冗談めかして書いてしまったけれど,養蜂家や農家には大問題.早急な対策をたてねばならない状況でしょう.

 おりしも時は春.今年は桜の開花が早いとかで,桜前線の急速な北上とともに,各地から華やかに咲きほこる桜の映像が放映されている.ソメイヨシノは受粉とかは関係なくて,無性的に殖やしたクローンです.だからサクランボを収穫したい農家は別として,桜の花を楽しむだけの目的なら,ハチがいなくても,とりたて困ることはない.花見を楽しむも良し,村起こしに利用するも良し.最近とかく目につく洗脳放送ぶりをカムフラージュするも良し.
 しかし,こんなに花が咲いているのに,どうして昆虫がいないんだろう?
 これは,花の季節になるたびに私が感じている疑問である.今年も各地からの桜の映像を見ていて,同じ疑問が頭をもたげてきた.満開の桜.しかし花の周囲に昆虫の姿は見えない.

 子供の頃の遠い記憶がよみがえる.花が咲いていれば,そこには昆虫が群がっていた.花蜜や花粉を求めて集まる昆虫.新芽や若葉を食べる昆虫.昆虫を捕まえようと寄って来るクモや昆虫.そいつらを狙う寄生昆虫.花と虫とは深く関係し合っていた.花が咲いていれば虫がいた.
 そういう当たり前の光景を見ることが最近なくなっている.ガーデニングへの関心の高まりもあって,花は以前にも増して派手に咲きまくっている.しかし花のまわりに昆虫はいない.この不自然さに,みんな気づいているのだろうか.気づいているけれど黙っているんだろうか? それとも,まさかとは思うけれど,花があるのに虫がいないのを,不自然だとは誰も思ってないのだろうか??

 昆虫を殺してはいけない.殺すことを奨励するような教育は良くない.学校で昆虫採集を教えるなど許せない.そういう発言が幅をきかせた時代があった.1970年代の昆虫採集バッシングである.こうして小学生が昆虫採集をいっさい経験しない時代が始まり,今に至っている.
 で,花に集まる昆虫が激減したのは,おそらく1980年代である.つまり子供たちが昆虫採集を経験しなくなって,その最初の世代が成人した頃から,花に集まる昆虫が大激減した.この時間関係が事実だとすれば,子供たちが昆虫採集をしたから昆虫が減ったのではない.
 むしろ,昆虫採集をやめたから昆虫が減ったのでは,という仮説さえ可能である.まさかそりゃないでしょう,と言われそうだし,まあ私もそう思う.しかし,昆虫を知っている人は虫の命をひとつ,ふたつと数える.昆虫を知らない人は十把ひとからげに虫を殺して省ることがない.そういう事実を思い起こせば,あながち当ってないこともないかな,とも思う.この点については稿を改めて,別の機会に考えてみたい.

 今年はミツバチが少ないのだという.そのニュースを聞いたとき最初に思ったことは,なぜ今頃そういうことを言うのだろう,という率直な疑問だった.花があるのに虫がいないという状況がずっと続いている.なるほどミツバチはいた.今年はそのミツバチさえいない.それだけの事ではないか? 花に集まる虫がこれほど減っている状況下で,ひとりミツバチだけが繁栄できるとも考えにくい.根拠も何もないけれど,ふとそういう気がしたのである.
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nobu

川土手を散歩していて気付くのは、雑草は生えているのにかつて相当数いたはずのトノサマバッタがあまりいない。まあ、花や雑草が特定の場所に沢山あるくらいで多様な虫が育つわけではありませんよね。水辺があってもゲンゴロウやタガメなんて30年近く見ていません。水辺といっても沼地じゃないので、せいぜい蛍の幼虫を毎年放して自然を愛でた気になるくらい。

虫のいない自然(?)を見て育てば、花があっても虫がいないことを不自然とは思わないのかもしれません。

※ビオトープの記事読みましたよ。当時あれだけマスコミも持ち上げてたのに、やっぱり稚拙な試みだった?
by nobu (2009-04-22 10:31) 

三ねんせい

湖畔日記の三ねんせいです,初めまして…だったかな?

>なぜ今頃そういうことを言うのだろう
少なかったけれど早くに気づいていた人たちもいます.信濃毎日新聞の科学欄が農薬禍キャンペーンの連載を半年あまりにわたって行い,単行本にもまとめてます:
信濃毎日新聞社 編「新しい恐怖 ---農薬禍はしのびよる---」,1965年.
第一章第三節「追われるミツバチ」 (p.22~) に指摘されています.
いまでは手に入りにくい書物ですが,その先進的な論を見ていただきたいです.

by 三ねんせい (2009-04-22 19:18) 

Ladybird

nobuさん,いらっしゃい.
 ビオトープは,子供に「自然」を紹介する1つの手法,ぐらいのことではないかと思います.全く意義なしとも思いませんが,これからはもっと深くマニヤックな知識が求められるように思います.

> 虫のいない自然(?)を見て育てば、花があっても虫がいないことを不自然とは思わないのかもしれません。
 そうなることを私は最も恐れています.
by Ladybird (2009-04-23 06:50) 

Ladybird

三ねんせいさん,こんにちは.
 信濃毎日新聞社ですね.この本はもう絶版ですが,アマゾンで古本が1冊出ていたので注文しました.読んでみます.ありがとうございます.
 それにしても1965年ですか.レーチェル・カーソンの「沈黙の春」が翻訳出版されたのとほぼ同時代ですね.カーソンは農薬禍によって,鳥の鳴かない春が来ることを警告したわけですが,今の日本は虫のいない春になっているようですね.
by Ladybird (2009-04-23 06:57) 

×第二迷信

ゴ・・リの姿が見えなくなって寂しい・・・というような話は聞きませんねー。

昆虫採集をすることが難しくなったから、
(手間の割りに、採集できない~ 時間も交通費も…)
採集する子がいなくなった、という、因果逆の関係も?

ミツバチの世界も「一様性」の代表で、何かの拍子に
「親亀こけたら皆こけた」状態もありえます。
(雑種が少しずつ減っているのに対して)
by ×第二迷信 (2009-05-01 19:42) 

Ladybird

 ゴ..リも減りましたね.しかし昆虫標本は出しっ放しにしておくと,やはりかじられています.

>昆虫採集をすることが難しくなったから、
採集する子がいなくなった、

 それもあります.魅力的な中〜大型の昆虫が減った.

>ミツバチの世界も「一様性」の代表

 ホントに,何が原因なのやら.
by Ladybird (2009-05-02 00:07) 

ayu15

地球の自然現象ならかなしいけどあきらめるしかないでしょうけど、人為的なものが要因だとまずそうですねえ。まだ原因不明なんですよね??

遺伝子いじるなとはいわないですけど、人の「操作」は慎重にしたほうがよさそうな気が・・・。いずれ生物に異常がおきないか不安です。

by ayu15 (2009-05-07 21:42) 

Ladybird

 何が原因なのか,しっかり調べる必要がありますね.農薬なのか寄生体〜病原体なのか.また×第二迷信さんが指摘されているような一様性ないし近親交配の影響などというのも考えられるのでは.
 遺伝子組み換え作物は,外来種問題と同質の問題をひきおこす可能性があります.同質ですが起こりうる問題の深刻さは,比較にならないほど大きいでしょうね.
by Ladybird (2009-05-08 10:54) 

×第二迷信

農薬の使用量そのものは、いっときに比べたら、ずいぶん減ってると思います。
「耕作放棄地」が増えてるし、
耕作してる田んぼの稲が、70年代に比べても、明らかに「キタナイ」

雑草は生えまくってるし、坪枯れはボコボコあるし…。

 ところで、西洋ミツバチって、単為生殖でしたっけ?
(働きバチだけ?)
by ×第二迷信 (2009-05-11 22:49) 

Ladybird

 三ねんせいさんご紹介の本を読んで,60年代の農薬の使われ方,使う側の論理,などがいかに狂ったものであったかを再認識しました.今はこういう使い方はもちろん許されませんが,特定のものをねらい撃ちするような農薬がふえているような気がします(じつはあまり知らない).
 ハチの巣コロリ,などという農薬は,まさかないですよネ?

 洋の東西を問わずミツバチはオスが半数体,メス(女王と働きバチ)が2倍体で,働きバチはすべて女王の娘です.父親が半数体のため女王と働きバチ(母娘)とか働きバチどうし(姉妹)の遺伝的類縁度が高く,それが「子を作らないという(働きバチの)性質が子に遺伝している」理由だと言われています.
 日本ミツバチとちがって西洋ミツバチは,人為的に品種改良などもされているでしょうから,そのためコロニー間でも遺伝的にあまり違わないというような現象が起こっている可能性があると思います.
by Ladybird (2009-05-12 01:21) 

sachat06

ご無沙汰していました。
昆虫はずいぶん少なくなりましたね。私の子ども時代には蛍も多かったし、セミなんかもいろんな種類を捕まえることができました。セミのぬけがらもよく集めましたね。
ミツバチも減っているのですか・・。ミツバチが来るような庭がほしいなと最近思っているのですが。
by sachat06 (2009-05-22 22:10) 

Ladybird

ご無沙汰でした.
 実態をつかんでいませんが,飼育しているミツバチが大量死したり,大量失踪してしまうという事のようです.野生化した西洋ミツバチがいるのか,いたとしてそういうミツバチが大量死に見舞われているか,といったことは判りません.わがやの庭に来るミツバチは昔から在来種と西洋ミツバチとが半分ずつぐらいで,この比率が最近になって変わったというふうにも思いません.
 そのうちミツバチを飼ってみたいと思っています.ただ私はモノグサなので,飼育は何によらず不得意です.
 
by Ladybird (2009-05-23 02:00) 

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