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秘密保護法インタビュー (2)

 中谷元氏へのインタビュー.2013年12月にブログ「浦戸湾」
http://blog.livedoor.jp/uradowan/archives/2013-12-25.html
に掲載した記事を,こちらに転載しています.

2013年12月25日
秘密保護法インタビュー (2)
 中谷元氏へのインタビュー.高知新聞の記事「問う,特定秘密保護法案」を転載しています.記事の日付けは2013年12月21日と22日.いずれも朝刊です.

 なお高知新聞は,中谷氏の地元である高知県の,代表的な地方紙です.


(以下転載)
【適性評価は誰が? 「民間人 警察に照会も」】

- この法の下では、特定秘密を扱う人を決める際、事前に適性評価(右に条文)を行うことになっています。特定秘密は防衛関連産業など民間事業者も扱う。民間事業者に対する適性評価は誰がやるのでしょうか。例えば、外務省の取引先なら外務省の職員が民間人を調査するのでしょうか。
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 「その企業が指定するんじゃないかな。まず、本人の同意を前提で資料を出してもらいますよね。それに基づき調査します」

- 法の規定では、行政機関の長が適性評価をするとなってます。でも現実、大臣らが一人一人を調査できませんよね? 誰が現場で調査や評価をするんでしょう?

 「行政の中の人でしょうね。行政機関の長の責任において、担当職員がやる」

- 外務省職員が、民間人の借金の有無を調べる? 飲酒状況も外務省職員が調べる?

 「調べるんでしょうね。(特定秘密を)漏らされたら困りますからね」

- 適性評価を担当する現場の実務者は誰なのか。筆頭理事としてやって来られた中で、そういう議論は全くされていないのですか。

 「省の責任において(調査を)委託するわけですから、その省が責任を持って調べるということです」

- 外務省が警察庁長官や県警本部長に依頼して調べるというようなことは、議論されてないんでしょうか。

 「関係機関に照会することになっています(12条4)」

- 関係機関は警察組織も含んでいるんでしょうか?

 「そうです。警察署みたいな出先にね。条文に書いてますよね。公務所に問い合わせができる、と。それは当然だと思います。(特定秘密を)漏らすような人には仕事を頼めませんからね」

- 民間人の適性評価を、現実には警察の情報に基づいてやる場合もあると?

 「警察に照会することもある。必要な範囲で。本人の同意を前提に」

- 本人の同意について内閣官房作成の逐条解説には、こう書かれています。「評価対象者が把握されることを想定していないプライバシーに深くかかわる個人情報についても、実施権者が取得する必要がある制度である」と。こんなことまで調べられるとは思わなかった、という部分まで調べられる可能性が否定できません。

 「それは必要上、調べるでしょう。調べないと、(特定秘密の扱いを)任せられない」

- 12条に列挙してある調査事項の7項目を超えて、調べる必要があると?

 「まあ、7項目を聞くわけですよ。それに対して必要な範囲で調査はします」

- 12条には「評価対象者の知人その他の関係者に質問」と明記されています。本人同意があっても、その人と交友関係にある人は、同意なく調査されるわけですね。

 「そうですね」

- 全く自分の知らないところで、同意したこともないのに、一市民が調査対象になりますね?

 「まず、質問はします。行政職員が。警察が調べるかどうか知りませんけど」

- 適性評価の対象者としてAさんを調べるとしましょう。Aさんに親しい友人がいる。その友人が何かの団体に属していたとして、そういうことも調べられることがあるわけですね?

 「かつて防衛庁の委託した中に特定団体の人が含まれていた事件がありました。(特定秘密の扱いを民間に)お願いする以上はそういう要素がないようにすると思いますけど。私もいろんな友だちがいます。(適性評価は)総合的に、この人は大丈夫かどうか判断するんでしょう。大事な仕事を託すわけですから」

- つまり、第三者がいつの間にか属性などを調べられる。それで言えば、思想信条の自由を保障し、それらによる差別を禁じた憲法よりも、法律の運用が上位に来る危険性はありませんか。

 「けど、車の運転と同じように、ある程度の技能とかがないと、危なっかしくて運転させられませんよね」

- 思想信条で運転させない、という考え方は聞いたことがありません。

 「能力です。資質。それを見分けないと(特定秘密が)漏れてしまいますから」




【法の必要性 「米国以外から要請なし」】

- 中谷さんは秘密保護法成立後の11日、日本外国特派員協会で会見し、法が必要な理由として、外国から機密情報をもらうためだ、との趣旨を最初に語っています。そして、アルジェリアの人質事件(今年1月)を例示している。あの時、この法制度があれば、邦人救助に必要な情報が得られたんでしょうか。

 「そう思います。テロ情報、フランス軍の機密も必要だし、イギリスの情報も必要。そういう情報がなかなか得られなかったのは、日本に情報を提供して本当に大丈夫か、と(外国は)思っているからです」

- 日本の法整備が不十分だから情報を渡せない、と実際にフランスから指摘があったんでしょうか。

 「それは聞いてません。けど、現実になかなか情報が集まらなくて」

- それは法制度がない、という問題だったんですか。

 「日本に情報を渡しても安全ですよ、という形がないからです」

- 事件前、フランス軍にテロ関連の情報を教えてくれと、日本側から働きかけたことはあったのでしょうか。

 「あんまり、なかったんじゃないかと」

- 法制度がないから情報提供できないと、米国以外の国から言われたことはあるのでしょうか。

 「ないですね」

- ところで防衛省には現在、「防衛秘密」があります。秘密保護のルールが十分できている。

 「まあそうです」

- とすると、新法を作る必要性はどこにあるんでしょう?

 「(各省庁の情報管理が)バラバラでいいんでしょうか。今でも非常にレベルの高い秘密がありますが、各省運用がまちまち。ルールが細かく決まっていません」

- 閣議決定や訓令達などで省内ルールを変えれば、新法を作らなくても、ルール統一ができたのではないでしょうか。

 「法律でしっかり、規則を作った方がいいと思いますよ。指定の基準とか、在り方とか。(国会審議の中で)官僚が恣意(しい)的に指定をしたり運用したりするのではないか、という懸念が出てきた。(今回の法律では)第三者組織がそれをきちんと監督、指導するということです」

- 官僚が官僚をチェックするわけですよね? きちんと機能しますか。

 「各党で協議して、そのような(第三者)機関を設置すると決めて、政府も審議の中で作ると明言したわけだから、それで良しと。まあ一応、形は整ったと思いますよ」

- (国会に置く方針の諮問機関について)来月外国に視察に行くそうですが、法案を作る前に行くべきじゃないですか。

 「まあ、そういうものを作ることになったんで。私は真摯(しんし)に(審議を)やったつもり。これほど修正がたくさんなされたというのは成果だと思う。与党筆頭理事としてこの法案を良いものにして、国民の納得が得られるようにという思いでやってきた。要は、成立をさせたかったということですよ」




【国会との関係 「行政のチェックは総理が」】

- 立法と行政の関係についてお聞きします。特定秘密の国会などへの提供は、10条に規定がある。当初の法案は行政機関の長の判断で国会に提供「できる」でしたが、修正協議の結果、「するものとする」となりました。国会への提供は、これで義務規定になったと言えますか。行政機関に裁量の余地を与えないなら、「しなければならない」という条文ではないですか。

 「同じ意味だと思います。『するものとする』でいいじゃないですか。あんまり、こだわらなかったですね」

- 普通、「するものとする」という表現は最大限の努力を払う、という程度の義務規定だと思いますが。

 「まあそうです。行政は国民の生命と国の安全を守るという仕事を責任持ってやってるわけだから、国会によって秘密が漏えいした時に、それ(行政の仕事)ができなくなることは、行政権を侵すことになるんじゃないでしょうか」

- 条文には「わが国の安全保障に著しい支障を及ぼす」と行政が判断した場合は、国会にも提供しない、となっています。

 「そうですね」

- 行政に対して、国権の最高機関である国会が及ばない部分ができてしまう。

 「まあ、各省の大臣は過半数を国会議員、総理大臣も国会議員から選んでいるので、国会の意思というものは、行政に働くと思いますよ。すべてがすべて、公務員がやっているわけではないから、行政は」

- 大臣は公務員だと思います。

 「まあ、そうですね」

- この法では、特定秘密を得た国会議員がそれを漏らした場合なども処罰対象になりかねません。そうすると、院内での発言については、院外で責任を問われないという憲法51条と矛盾しませんか。

 「そこが課題。憲法の規定をどう読むかということです」

- 秘密保護法の下では、行政に対する国会の監視機能がなくなる、と危惧する方がいっぱいいます。内閣・行政が国民に背くような不正をしていた場合、その情報を知ることができないわけですから。内閣や行政の責任を問うことが事実上できなくなります。

 「衆院が内閣不信任決議案を出したりよね。そういう権利はあると思いますけどね」

- 情報を知らない以上、不信任決議案も何もできないのでは。

 「日本は議院内閣制です。院の代表が総理大臣になって行政を監視しながら行政を運営しているわけだから、その辺はチェックできると思います」

- 中谷さんは今、与党です。仮に野党の立場になった場合、その政権が自民党には何も情報を出しませんよ、となったら? そういう世界はやっぱりまずいと思いませんか。野党として政権をチェックできますか。

 「国にとって大事な情報は、外に漏れては行政が困るんです。じゃあ、野党にそういう情報提供して、本当に漏れないという確証があるか。野党は今の政権を批判するわけだから。野党の方に情報が行って、漏れない確証があるのか」

- 大切な情報はあると思います。でも、行政に都合の悪い情報も特定秘密になる可能性があるのでは?

 「法に基づいて指定するし、是非を判断する機関ができるわけだから。そこで監視、監督はされると思いますよ」


(つづく)
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