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あとの祭り

 河野太郎(自民党)が選挙や国会について発言している.
公職選挙法の都市伝説
http://blogos.com/article/65788/

- 茶菓の提供は良いのだが、コーヒーはダメで日本茶はよい。饅頭は良いがケーキはダメ。缶の烏龍茶をそのまま出すのはダメで、紙コップにあければよい。

 その他いろいろ現行法のチグハグさを挙げて,「本音と建て前のかたまりのような公職選挙法」を改正する必要性を説いている.具体的には:

- やっていいことを明記する現在のしくみをあらためて、やってはいけないことを明記するようにする、あるいは選挙期間を定めている今のしくみを改めて、選挙期間をなくすといった改正が必要だ。

というふうな趣旨だ.さらに次の発言もある.

おかしいのは公選法だけではない
http://blogos.com/article/66833/

 この記事では国会のあり方を扱っている.すべてが事前に決められた通りに進行する,議会の形骸化,儀式化とでも言うべき現状を批判している.

- 日本の国会では議論が行われない。
- 採決の対象について、一人々々の議員の個人的な意見が述べられることはない。

 他の人の投稿もあり,BLOGOS上の議論はネット選挙の評価に重点が移っているように見える.

 しかし上記2つの投稿から判るように,主眼はネット選挙の話ではない.つまり公職選挙法と国会運営の背後に,両者に共通する問題を河野氏は見ている.独断と偏見に基づいて私の言葉でその共通の問題を言い換えると,それは「議論の欠如」だろう.本来なら活発な意見交換,情報交換が行なわれるべき時に,それができない,できにくい仕組みになっている.国会は真摯な議論の場ではなく,数の論理だけで物事が粛々と決められる場に堕している.選挙もまた,投票日の直前,本来なら政治家や政党が国の進むべき道を提示し,さまざまな意見交換や情報交換が行なわれるべき時に,公職選挙法という窮屈なルールが顔を出す.

 話題を変える.
 公選法と関係があるのかどうか知らないけれど,マスコミの報道もチグハグだった.選挙の直後,民放もNHKも,各政党の代表を1つのテーブルに着かせて話を聞いた.憲法改正やTPPなど,選挙期間中にほとんど報道されなかった大問題について,ここで初めて各党の方針を詳しく聞くことができた.すべてが終わってからの大議論.文字通り「あとの祭り」である.

 本来ならこういう情報は,選挙の前に広く提示され,議論されねばならない.自民党に都合の悪いことは矮小化ないし隠ぺいしておいて,選挙が終わってから議論が「解禁」されたのだろうか.この,選挙前に十分な情報を報道しないという悪弊は,マスコミが意図してそうしたのかもしれない.しかし,ひょっとして公選法のゆえに,そうせざるを得なかったのかもしれない.
 選挙のすぐ後,安倍内閣の支持率が急落したらしい.
http://sshshouron.blog.so-net.ne.jp/2013-07-23
選挙後に自民党の政策の詳細を知って考え直した人が,かなりの数いたのでないだろうか.

 選挙とは政策に対する投票である.その政策が,選挙の前には十分に公開され議論されることがなかった.今回の選挙で,なぜマスコミは十分な情報提供をしなかったのか.この点を検討する必要があると思う.

日教組のせい,ですと?

 どれがブレーキかも知らない人が運転するバス.これが今の日本国だ.このバスの運転に必要な最低限の知識としては,日本国憲法や立憲主義,基本的人権,などの概念がある.ところがこの運転手,自分に知識がないのを棚に上げて,当の憲法を変えようとしている.

 バスの運転には大型二種免許が必要だ.この免許を取るのは易しいことではない.他人の生命を預かる以上,当然のことでしょう.ところが,わが「日本国バス」を運転する人には,免許はおろか憲法についての知識も不要とは,あまりに恐ろしいことではないだろうか.

 ということで本題に入ります.
 憲法や立憲主義について人々が知らないのは,学校で教えてないからだ.それは日教組が悪いんだ,と言っている人がいる.あまりに的外れな言説である.憲法改正やTPPや原発再稼働などに比べ小さな話題ではあるが,あえて踏み込んで本稿では日教組を弁護しようと思う.

 戦争終結とともに日本人の行動原理が,「お国のため」から「民主主義」に変った.いろいろな職場で労働組合が生まれた.教師の世界では「教え子を再び戦場に送るな」を合言葉に日教組ができた.立派な理念ではありませんか.
 余談ですが,もうすぐ教師たちは,この理念を本当に,自身の生活をかけて,下手すれば生命をかけて,実践せねばならない時代が来るかもしれない.その分岐点が今回の参院選であった.日本国民は,間違った方に向けて舵を切ってしまった.

 日教組が「日の丸」や「君が代」に反対するのは,これらがシンボルとして戦争の遂行に大いに役立ったという歴史があるからでしょう.そういう趣旨からすれば,なぜ「日の丸」や「君が代」に反対するのかという授業をやっても良さそうなものだ.しかし実際には,そういう授業はなかった.日教組が行なったことは,教師個人として思想信条の自由があるのだから「日の丸」や「君が代」を強制するのは良くない.というような,いわば消極的な主張に留まった.

 教職員の組合である.組合員の労働者としての権利(思想信条の自由)については,組合として関心をもつ.それは当然だ.一方,授業の内容,特に「授業で何を教えるか」といった選択は,教師個人の自由裁量に任される.組合としてアドバイスはしても,それ以上の活動は越権行為となる.または越権行為と言われかねない.「教えてないから組合が悪い」とは,的外れもいいところです.現実に「何を教えるか」は,文部省や教育委員会による統制と,進学校の場合は受験対策,というような要因で決まるのでないでしょうか.

 昔は日教組は強かった.対する政府はほぼ一貫して自民党で,「日の丸」や「君が代」にノスタルジーを持つ人々だった.戦争は正しかった,戦前は良かった,と思っている人たちです.安倍晋三はそういう人たちの末裔.

 そういう訳で政府や文部省は,日教組に対する圧力を強めて行った.今は日教組は極めて非力な組合でしかない.日教組についてのさまざまな誹謗中傷,良くない噂の大多数は,文部省とマスコミの仕組んだ巨大なネガティヴ・キャンペーンでしょう.いや,そうではない,と言う人もいるかもしれないけれど,戦後の年数を減るにつれて,文部省(文科省)の統制力が大きくなり,日教組の力が弱まって行ったという事実は否定できない.

 で,昔は憲法や立憲主義や基本的人権を,学校でちゃんと教えていた.今は教えてない.だとすれば,その原因は日教組にではなく文部省(文科省)にあるだろう,ぐらいはすぐ推定できる.昔と今を対比すれば一目瞭然.

 ところで私自身は学校で憲法や基本的人権について,たいへん充実した教育を受けた.日教組の先生(当時すでに少数だった)からも,そうでない先生からも.しかし特別に記憶に残っている授業は,バリバリの日教組の先生のものだった.現在の私は理系で,社会科は専門外だけれど,今も心に残るさまざまな知識や言葉は,まさにこの先生ならではのものだった.

 もう一度書いておこう.今の日本人は学校で憲法や立憲主義や基本的人権を教わってないらしい.それが事実だとしても,その原因は日教組ではありません.

「参院選の総括」の総括

 BLOGOSの記事,「参院選の総括」(内田樹)
http://blogos.com/article/66832/
の中から,ちょいと心に残った箇所を転載します.

(以下転載)
議会制民主主義というのは、さまざまな政党政治勢力がそれぞれ異なる主義主張を訴え合い、それをすり合わせて、「落としどころ」に収めるという調整システムのことである。「落としどころ」というのは、言い換えると、全員が同じように不満であるソリューション(結論)のことである。誰も満足しない解を得るためにながながと議論する政体、それが民主制である。

そのような非効率的な政体が歴史の風雪を経て、さしあたり「よりましなもの」とされるにはそれなりの理由がある。近代の歴史は「単一政党の政策を100% 実現した政権」よりも「さまざまな政党がいずれも不満顔であるような妥協案を採択してきた政権」の方が大きな災厄をもたらさなかったと教えているからであ る。知られる限りの粛清や強制収容所はすべて「ある政党の綱領が100%実現された」場合に現実化した。

チャーチルの「民主制は最悪の政治形態である。これまでに試みられてきた他のあらゆる政治形態を除けば」という皮肉な言明を私は「民主制は国を滅ぼす場合でも効率が悪い(それゆえ、効率よく国を滅ぼすことができる他の政体より望ましい)」と控えめに解釈する。政治システムは「よいこと」をてきぱきと進めるためにではなく、むしろ「悪いこと」が手際よく行われないように設計されるべきだという先人の知恵を私は重んじる。だが、この意見に同意してくれる人は現代日本ではきわめて少数であろう。

現に、今回の参院選では「ねじれの解消」という言葉がメディアで執拗に繰り返された。それは「ねじれ」が異常事態であり、それはただちに「解消されるべきである」という予断なしでは成り立たない言葉である。だが、そもそもなぜ衆参二院が存在するかと言えば、それは一度の選挙で「風に乗って」多数派を形成した政党の「暴走」を抑制するためなのである。選挙制度の違う二院が併存し、それぞれが法律の適否について下す判断に「ずれ」があるようにわざわざ仕立てた のは、一党の一時的な決定で国のかたちが大きく変わらないようにするための備えである。言うならば、「ねじれ」は二院制の本質であり、ものごとが簡単に決まらないことこそが二院制の「手柄」なのである。
(転載おわり)


 「ねじれの解消」が今回の参院選の目的だ,とNHKが洗脳放送を繰り返していた.洗脳された視聴者から「ねじれを解消して景気対策をすみやかに実行して欲しい」というような趣旨の投書もあったらしい.こういう世相に違和感を感じていたが,その違和感を明快に代弁してくれたのが上記の文章だ.

 内田樹という人は,良質のパーツをたくさん持っている.ここに転載したのも,そうしたパーツの1つだ.ところが,それらのパーツを組み合わせて建てた家を見ると,出来具合は必ずしも良くない.

 よってここはパーツの紹介に留める.

 いま日本は参院選の結果として,「ある政党の綱領が100%実現」しそうな状況になっている.それは大きな災厄につながる,と歴史は教えている.

終りの始まり?

 日本は終わった.そう実感せざるをえない選挙結果だった.マスコミは選挙結果を受けて政党に意見を聞いたりしている.こういう討論会形式の番組は,本来なら選挙の前にやって欲しかった.選挙が終わってから各政党の方針を聞いても,投票行動に活かせない.

 さて,
 安倍晋三の目標は憲法改正.マスコミは様々の問題を取り上げるけれど,そういう事は安倍晋三の眼中にはない.何をやっても言っても,マスコミの翼賛体制がしっかりカバーしてくれる.もはや日本国民はすっかり洗脳されている.

 憲法改正に進むには,憲法第96条にある通り「各議院の総議員の 2/3 以上の賛成」が必要だ.このことを少し考えてみよう.

 まず参議院は総議席数242である.その 2/3 は162となる.今回の選挙の結果,自民みんな維新その他改憲派の議席数は143 となった.この数字には公明党(20議席)を含ませてない.改憲には公明党の賛同が欠かせない.

 衆議院はどうだろうか.総議員数480.その 2/3 は 320 だ.現在の議席数は自民 295,維新 53.この2党だけで 2/3 を軽く越えてしまう.みんなや公明の協力は不要.

 結局,憲法改正に突き進むには,参院での公明の協力がカギをにぎることになる.そういう状況だ.おそらく自民党はあらゆる手段,あらゆるアメとムチを総動員して,公明党に働きかけるだろう.

 安倍晋三は憲法を一気に自民党案に書き換えるというふうには考えてないらしい.言葉の端々から判断するに,まず1つの条文を変える.次にまた1つの条文を変える.そのような手法を考えているらしい.

 もしそうであれば,最初に手をつけるのは憲法第96条.つまり上記の条文である.議員数の 2/3 というのはハードルが高すぎる.これを変えて 1/2 の賛同で構わないことにする.

 それに成功すれば,あとは公明党の協力は不要となる.釣った魚(公明党)に餌を与える必要はもうない.用済みの犬は殺して畑の肥やしにでもすれば良い.

 鍵を握るのは公明党.さて,どうする?

進行する貧困化

 日本人の日々の生活が圧迫されている.格差が拡大し,少数の富裕層を除く大多数の日本人大衆の貧困化が進んでいる.安倍政権のインフレ政策(物価上昇)と消費増税が,これに追い打ちをかける.

 安倍政権が上げたアドバルーンが「アベノミクス」.これはルアーの疑似餌,参院選まで持てば良いだけの人気取り政策である.そろそろメッキが剥げかけているが,国会で絶対多数を確保すれば目的達成.その後どうなるか?

 小泉改革を憶えているだろうか.たくさんの日本人が,地獄に突き落とされた.勝ち組,負け組,ニート,B層,... これらの,嫌な響きをもつ言葉がたくさん流布した.安倍政権は,この続きをやろうとしている.大企業を儲けさせるが,99%の日本人を貧困に追いやる.これが小泉・安倍の経済政策だ.

     *     *     *

 「ホントに明日からどうやって生活して行くんだ?」は,国民の切実な声である.賃金年金の減額,労働者を簡単に解雇できる制度の導入.派遣労働,臨時雇いの常習化.

 さらにTPPの嵐が吹き荒れる.小さな経営体はバタバタと倒産するだろう.医療費がはね上って,うっかり病気になることも大けがをすることもできなくなる.

 貧乏とはどういうことか.どれほど大変なことか. そういう事を安倍総理が理解しているようには見えない.

 それでも君は自民党を支持しますか?

植草氏の視点(つづき)

 前回の続き.「植草一秀の『知られざる真実』」の内容紹介です.重要と思われる視点を抜き出して,かいつまんで転載します.勝手に原文を書き換えた箇所もあります.

2013年7月20日 (土)
原発・憲法改悪・TPP推進勢力の暴走を阻止する策

 「アベノミクス」の時代はすでに終わっている。
 アベノミクスは,
金利低下・財政出動・企業利益増大.
というけれど実際は,
 金利低下と財政出動 > 金利上昇と消費税増税に
 企業利益増大 > 格差拡大に
となっている.

 つまり,アベノミクスの正体は,
超インフレ・超増税・超格差
である.
 過去半年の、かりそめの金利低下=円安=株高に惑わされてはならない。客寄せの甘い罠に他ならないからである。


 私たちがしっかりと見つめなければならないのは、
原発・憲法・TPP・消費税・辺野古
の五大テーマである。

 マスメディアの選挙結果予想に惑わされてはならない。必ず選挙に行って参政権を行使しよう.

     *     *     *

 憲法第96条について. 議会制民主主義の下で創出される権力は強い。内閣総理大臣には、強大な権力が付与される。軍隊を支配し、警察権力を支配する。強大な権力が政権に付与される。人権を守り、国民主権を守るためには、政治権力を縛る強力な「縛り」が必要である。そのために設置されているのが「憲法」である。

 「憲法」は政治権力が暴走しないための防波堤の役割を果たす。だから、「憲法」がやたらに改変されないように、憲法改定のルールは厳しく設定されている。

 憲法改正をたやすく実現するために,憲法96条の改定が提案されている。これを絶対に認めてはならない。96条改定勢力に参議院の3分の2以上の議席を付与しないこと.

 憲法96条改定を絶対に阻止すること。参院選の最大の焦点は、この点にある.

植草氏の視点

 「植草一秀の『知られざる真実』」の内容を紹介します.細部を削除し,要点のみ引用します.わかりづらい箇所は原文を見てください.

2013年7月19日 (金)
国民必見小林節・浅田次郎氏憲法問題インタビュー
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-2108.html

 参院選の重大な争点は,
原発・憲法・TPP
そして
消費税・辺野古.

 表向き、自公系候補も辺野古移設反対を唱えているが、自公政権自体が辺野古移設を推進しているのだから、沖縄県民は、これを踏まえて判断する必要がある。

 福島県民が自民党に投票するなら、原発推進政策容認と受け止められることをよく考える必要がある。

     *     *     *

 憲法. 国民主権は、長い歴史のなかで、人民が勝ち取ってきた財産であり、憲法とは、国家権力が民主主義国家の基本を踏みにじらないように、国家権力の暴走を防ぐために定めた「砦」である。
 「砦」であるからこそ、その改修には慎重を要する。安易に改修されないように、改修を実施するハードルを高く設定してある。


 憲法改正について,NPJ(News for the people in Japan)
http://www.news-pj.net/
動画2つ.

1. 憲法学者の小林節氏.
 「国民大衆の憲法に対する無教養状態」がある.憲法問題が争点とされているにもかかわらず、国民の憲法問題に対する認識、知識は浅い.

 東京新聞=中日新聞にコラム記事を出稿されている斎藤美奈子氏は、メディアが世論調査で憲法問題について質問する際には、質問の冒頭に、
- あなたは憲法を読んだことがありますか。
- あなたは憲法前文の内容をしていますか。
などの質問を設けるべきである,と.

 憲法は、人類の長年にわたる闘争の結果として得られた国民主権や人権尊重の大原則が踏みにじられることのないよう、国家権力に縛りをかけるために設置されているものである。

 ところが、日本の場合、この憲法の意味を知る、憲法を守る意識が希薄である。そのような国民の意識希薄状態の隙に付け込まれて、憲法が大改悪されてしまったのではたまらない。


2. 作家の浅田次郎氏は18歳で高校を卒業して陸上自衛隊に入隊されている。
 浅田氏の文章.「もうひとりの私から、イラクへと向う部下へ」の末尾は,次のように書かれている..

「いいか。俺は昔の戦で死んだ大勢の先輩たちと、ほんとうの日本国になりかわっておまえに命ずる。

やつらの望んだ半長靴を、人間の血で汚すな。われらが日章旗を、人間の血で穢すな。誰がなんと言おうと、俺たちは人類史上例をみない、栄光の戦わざる軍人である。

復唱せよ。」

宮崎駿さん

 スタジオジブリ出版する小冊子「熱風」が話題になっている.7月号の特集は「憲法改正」.
http://www.ghibli.jp/shuppan/
 売り切れ続出のため,pdfファイルダウンロードできるようにしたそうです.詳しくは上記ページを見てください.
 以下は「第7官界彷徨」より転載.
http://plaza.rakuten.co.jp/articlenine/diary/201307190000/

(以下転載)
  2013.07.19   胸を張って九条を世界に
今朝の東京新聞1面は、スタジオジブリの「熱風」の記事。

リード文はこんなふう
=「憲法を変えるなどもってのほか」。
 スタジオジブリが毎月発行している無料の小冊子「熱風」の最新号で「憲法改正」を特集し、宮崎駿監督(72)などが寄せた記事が話題を呼んでいる。
 全国の書店では品切れが続出。
 ジブリ出版部は反響の大きさから、
「参院選の投票日(21日)前に読んでほしい」と十八日、急きょジブリ公式ページで公開を始めた。=

 記事によれば、今回の特集「憲法」は、意見の分かれるテーマだけにためらいもあったが、参院選を前に「ジブリ」としての旗色を鮮明にしよう」と決めたそうです。

 執筆はジブリの重鎮。
 宮崎駿監督は
「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。」と明言。

 十日から全国の書店で配布した約5千部は、あっという間になくなった。
 出版部にも「読みたい」と電話が殺到。

 額田編集長は
「憲法を守るための最大の敵は国民の無関心。
 興味を持ってもらえたのがうれしい。」(以下略)
(転載おわり)


 宮崎駿さんは今日(7月20日)の朝日新聞にも出ている.内容は今日から劇場公開されるアニメ「風立ちぬ」について.「零戦設計者の夢」というタイトルの記事だ.零戦に対する宮崎さんの熱い思い入れとか,戦争という環境に投げ込まれてしまった技術者の心象風景に関心があるらしい.それにしても今なぜ零戦なのか.これについてはまた別の機会に書くことにしよう.「熱風」の記事では,宮崎さんは憲法改正はダメだと主張されている.

 日本人の中には憲法改正が必要だと思っている人も多い.しかし,仮にそうだとしても,自民党の改憲草案はダメだ.それに憲法9条という防波堤をいま取り除いたら,日本軍は米国の手先としてベルシャ湾で殺し合いをさせられる.

 明日は選挙.その結果次第で日本は,「戦争のできる国」になる.美しかったこの国が,坂道を転がり落ちるように崩壊して行くだろう.自民公明みんな維新に投票してはいけない.何よりも,棄権は絶対にいけない.

 破局に向かうか踏み堪えるか,明日がその分岐点である.

TPPの概要を見ておこう

 ゲームタレントの噂(うわさ)話,グルメ,エンタメ,...民放のバラエティ番組はどれも同じような内容で,見る気にもならない.スポンサーの顔色を伺いながら番組を作るので,当たり前のことを普通にまっすぐ突っ込むことができないのだろう.しかし,その中でTPPのことを取り上げた番組があった.タイトルは,「知らないと怖い....TPP加盟は善か!? 悪か!?」.たけしの「ニッポンのミカタ!」という番組らしい.YouTube で見ることができる.
http://bit.ly/15q9iWS
 「TPP? 何ですかソレ」という人は,とにかく見てください.TPPの概要を知って欲しい.

 この動画は43分ほどの長さ.途中で挿入されていた筈のCMは削除されている.こんな番組でTPPを正面から批判できる訳がないと思っていた.そして,まあ大体のところ私の予想通りだった.しかし個別の問題が具体的にわかり易く提示されている.次のような場面は心に残る.

- 遺伝子組替え食品の危険性 8分ころから.
- コンニャクについて 17分20秒ころから.
- フカヒレについて 20分40秒ころから.
- 医療制度について 32分ころから.

 特に「食の安全」(遺伝子組替え食品を含む)と「医療制度」(国民皆保険制度の危機)については,TPP加入によって生じる大きな危険性(の一部)を具体的に知るうえで役立つと思う.時間のとれない人も,とりあえず医療制度の話だけでも見てみると良い.

 ただ,番組の最後はお粗末.これほど問題点が明らかになったけれども,だからTPPに反対!と結論するわけにも行かないのでしょう.逃げていないでTPP交渉に飛び込んでみれば良い,というような情緒的な,ある意味いかにも日本人好みの発言とか.

 交渉さえしっかりできれば問題点は回避できるはずだとか,交渉がうまく行かなければ席を蹴って立ち去ればよいとか... できないこと,できそうにないことを,サラリと言ってのけたり.

 オバマは米国の医療制度を改善しようとしている.だから日本の国民皆保険のシステムも理解してくれるだろうとか.ほとんど妄想のようなことを述べてみたり...

 等々.まるでTPP加入で予想される困難は,どれも回避可能であるかのように言っている.この辺が民放の限界でしょう.スポンサーからのバイアスがかかっているのだという理解の上で,そのあたりは真に受けないよう注意が必要だと思います.


追記.
 ついでに動画をもう1つ紹介します.
http://www.youtube.com/watch?v=V7u01C6ANgg
山本太郎さん.当選して欲しいですね.

嫌なら死刑だ

 自民党の石破幹事長が「国防軍」について少しだけ本音を吐いた.
 ブログ「Nuclear F.C.: 原発のウソ」
http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/7225849.html
の記事「平和憲法を真っ向否定 自民党石破幹事長 @鎌田慧」が伝える東京新聞の内容を,そのまま転載します.

(以下転載)
平和憲法に真っ向背反 石破幹事長の「軍法会議設置」発言
          東京新聞朝刊、2013年7月16日
 自民党は同党の改憲草案で、憲法九条を変更して自衛隊を「国防軍」にすることを掲げた。
 それに伴い、国防軍に「審判所」という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)の設置を盛り込んでいる。防衛相の経験もある同党の石破茂幹事長は四 月に出演したテレビ番組で、審判所設置に強い意気込みを見せた。「死刑」「懲役三百年」など不穏な単語も飛び出した石破氏の発言とは――。
          (小倉貞俊)

石破茂 「軍事法廷とは何か。すべて軍の規律を維持するためのものです」。4月21日放映の「週刊BS-TBS報道部」。憲法改正を問うというテーマで招かれた石破氏は持論を展開した。 

  国防軍になると、具体的に何が変わるのかと問われた石破氏はまず、「(改憲草案に)軍事裁判所的なものを創設する規定がある」と述べた。 改憲草案九条二 の五項には「軍人その他公務員が職務の実施に伴う罪か国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、国防軍に審判所を置く」とある。
6ca18a91.jpg
 続けて石破氏は、現在の自衛隊で隊員が上官の命令に従わない場合は、自衛隊法で最高でも懲役7年が上限であることを説明し、こう語った。

 「『これは国家の独立を守るためだ。出動せよ』と言われたときに、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人がいないという保証はどこにもない。だから(国防軍になったときに)それに従えと。それに従わなければ、その国における最高刑に死刑がある国なら死刑。無期懲役なら無期懲役。懲役三百年なら三百年。そんな目に遭うぐらいなら、出動命令に従おうっていう。人を信じないのかと言われるけれど、やっぱり人間性の本質から目を背けちゃいけない」

 こうした重罰を科すために審判所は必要で、石破氏は「公開の法廷ではない」と付け加えた。

 自民党のホームページにある「日本国憲法改正草案Q&A」でも、国防軍審判所を「いわゆる軍法会議のこと」と説明、設置理由を「軍事機密を保護する必要があり、迅速な裁判の実施が望まれるため」と解説する。裁判官や検察、弁護側を軍人から選ぶことを想定。審判所が一審制か二審制なのかは「立法政策による」と記され、上訴ができるか否かは不透明だ。(以下略)
(転載おわり)


 マスコミ様の煽動のお陰で,尖閣諸島を守ることに国民の関心が向けられている.日本軍が尖閣諸島を守ってくれるだろう.そのため必要なカネは税金でまかなわれる.自分は税金を納めればよい?.

 いや,君に出して欲しいものはカネではない.国が君に求めたいものは,君の献身,君の身体,君の生命だ.

 選挙で自民党を勝たせよう.そして戦争に行こう.嫌なら死刑だ.
 こんな記事もあります.
http://ikinasaiyo-senkyo.com/
ご参考まで.


追記.
 それにしても石破さん,現時点ですでに選挙結果を知っているかのようにも見える.これまた怖いお話ですね.

権力者と「言論の自由」

 日本は最近とても窮屈な国になっている.小さなルールがやたらと増えた.しかも違反者に対する罰則が,いろいろと「厳罰化」された.もう国民はがんじがらめ,と言ってよい.人は本来もっと自由でなくてはならない.あまりに窮屈な規制は,人々の創造性を枯渇させる.それは結局のところ日本の国力を弱めることになる.
 というわけで今日は「言論の自由」について書いてみます.


 警察の横暴が大手を振ってまかり通っている.いくら何でもこれは規制のし過ぎでしょう,という事例も少なからずある.たとえば...

 福島のJR駅前で安倍首相が選挙の街頭演説をしようとした.聴衆の中にいた1人の女性が,「総理、質問です。原発廃炉に賛成?反対?」と書いたボードを持っていた.この女性を警察が取り巻いてボードを取り上げ,女性の名前や住所や連絡先などをネチネチと尋問した.
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/505.html

 人には思想の自由,表現の自由がある.このニュースを読んで,警察の行動に私は強い違和感を覚えた.A3サイズの紙を段ボール紙に張り付けただけのボードである.そこに「質問」を書いて掲げることを警察が妨害した.住所や連絡先を執拗に詰問するなど,まるで思想弾圧.どのような根拠でそういう暴力が許されるのか? 「原発廃炉に賛成?」という質問を,総理大臣に投げかける.福島県民であればこその生々しい声ではないですか.

 で,警察の横暴ぶりはひどいけれど,では今度の選挙で自民党が大勝して「ねじれ」が解消されたとする.国会は政府の思うままになる.すると政府は改革を押し進めて,日本はもっと自由な国になる,だろうか?

 私は逆だと思う.たとえばマスコミに対する安倍さんの姿勢を見るとわかる.マスコミこそは「言論の自由」が最も大切にされねばならない機関である.権力者がそれに圧力をかけるなどということは,本来あってはならない.ところが安倍さんは平気で,むしろ積極的に,それをやって来た.
 以下は今回も「ソウル・ヨガ(イダヒロユキ)」
http://blog.zaq.ne.jp/spisin/article/3772/
からの引用です.

(以下転載)
参院選に言いたい 公権力と情報
メディア総合研究所所長・砂川浩慶さん
   毎日新聞 2013年07月08日 東京朝刊
 「監視国家」ひとごとでない−−砂川浩慶さん(50)
 憲法改正、原発の再稼働など、大きな問題の陰に隠れているが、国民の「表現の自由」や「知る権利」をめぐる問題も大きな課題を抱えており、安倍政権のメディア政策なども大いに議論してほしい。
(転載おわり)

 以下かいつまんで書きます(原文通りではありません).

- 安倍氏は官房副長官だった2001年、従軍慰安婦を取り上げたNHK特集番組の放送前、NHK幹部に「公平、公正に」などと注文を付けた

- 安倍氏は幹事長時代の2003年,衆院選の時に,テレビ朝日に党幹部(のちには幹部だけでなく議員も)の出演拒否を指示した.

- 安倍氏は2006年に「首相」を一度やっている(第1次安倍政権).このとき安倍内閣はNHKに,短波ラジオ国際放送で北朝鮮による日本人拉致問題を取り上げるよう命令した.

- 第2次安倍政権は今年3月,NHKの業務報告に「わが国の公共放送としての位置付けを踏まえ」という文言を入れさせた.この指示をした閣僚(柴山副総務大臣)はさらに「今後、放送法の改正も含め、議論がなされることがあり得る」と言っている.

- 今回の参院選の公示日(7月4日)に,自民党はTBSの番組内容が公平でないとして,党幹部に対する取材や,同局への出演を拒否することを決めた(5日に解除).


 どうでしょう? 一介の議員や弱小野党が放送局に対し意見を述べた,という話ではありません.政権の中枢にいる人たち,放送局の命運を実際にコントロールできる立場にある人たちが,こういうことをやった.「言論の自由」に対する,権力者側からの圧力です.安倍内閣とは,そういう政権である.

 安倍首相の憲法に対する無知ぶり,特に基本的人権に対するあまりにお粗末な認識を見るにつけ,そら恐ろしいものを私は感じます.「言論の自由」「報道の自由」に関し最近の日本は,中国や北朝鮮なみの3流国になっている.

 福島原発以後の日本のマスコミは,事実を正しく伝えてない.そう感じませんか? いま日本に足りないものは「言論の自由」です.

キットカットチョコレートの物語

 かつて「小泉改革」というものがあった.この改革は日本社会の不平等を拡大し,「勝ち組負け組」という言葉を流行らせた.派遣労働を推進し,郊外に大型店舗を建設させ,地方都市の中心部をさびれさせた.大学の学者はカネの話ばかりするようになって,御用学者が幅をきかすようになった.小泉改革は日本を変えた.そして沢山の日本人を絶望のどん底に突き落とした.

 小泉にアドバイスをしたのは竹中平蔵.彼のよって立つものは「新自由主義」と呼ばれる経済学の理論.いま竹中は安倍晋三のアドバイサーである.つまり安倍晋三は小泉の続きを実行しようとしている.

 それは米国の行動原理でもある.つまり米国は自由競争の推進拡大をめざしていて,人口の1%が裕福になり99%が貧困にあえぐ社会への転換を,日本にも求めている.TPPへの参加要請には,そういう背景がある.

 遠い昔,資本主義は「自由競争」を金科玉条としていた.自由競争によって英国の経済は大発展した.その一方で,たくさんの貧困を産み出した.行き過ぎた自由競争への反省が起こり,英国は福祉国家への道を歩み始めた.

 自由競争は本当に信奉すべき原理なのか.その欠点にいち早く気付き,福祉国家に方向転換した英国の人々から,われわれはもっと学ぶべきではないだろうか.そういう願いを込めて,キットカットチョコレートの物語をここに転載する.昔,別のブログに書いた雑文です.


     キットカットチョコレートの物語
  (ブログ「高知に自然史博物館を」2008年7月の記事)

 - Chocolate war ended.
 かれこれ20年ほど前の話である.英国リーズ市の名門チョコレート店「ラウントリー」社が,スイスのネッスル社に吸収合併されてしまったとき,このように簡潔にBBCニュースは報道した.キットカットチョコレートの歴史に幕が降りた瞬間である.

 菓子は飲み物と合わせて評価すべし,と私は思っている.最近は地方にも,けっこう良い洋菓子店ができて,おいしいケーキが食べられる.しかし,どうも不満なのは,この1点.
 ケーキを単独で食べることもあるかもしれないけど,多くの場合コーヒーとか紅茶に合わせて食べるのでないだろうか.だとすればケーキが単独でいくら美味しくても,コーヒーや紅茶に合わなければ,やはり失格だと思う.その点を,多くの洋菓子店は理解してないように見える.

 キットカットチョコレートの場合はその逆だった.単独で食べて特別おいしいチョコレートではない.ところが英国式ミルクティーに合わせて食べると,みごとに調和した味になる.
 同じくラウントリー社の「アフター・エイト」というチョコレートもあった.ハッカの入ったおとなの味ということで,子供を寝かせたあと8時以降の夜の時間を,紅茶をたてて,チョコレートでも食べて,という趣旨の命名なのだろう.このチョコレートも単独では何ということもない(むしろ悪趣味な)味である.しかし紅茶に合わせて食べると納得させられる.そうか,こういう「設計思想」なのだ,と思う.
 そのラウントリー社が消滅した.

 さて,
 産業革命以後の資本主義の発展は,さまざまな矛盾を生じ,英国は自由な競争,自由な契約といった資本主義本来の路線を少しずつ修正し,やがて福祉国家への道を歩むことになる.その大きな転換点が2つの出版物だった.
 長島伸一「大英帝国」講談社現代新書,から引用します.

(以下引用)
- 20世紀初頭に始まる本格的な福祉国家への歩みを一気に速めさせたのは(中略)2つのショッキングな調査結果であった.1つは,リヴァプールの汽船会社の社長 C. ブースが,私財を投げうってまとめあげた「ロンドン市民の生活と労働」,もう1つは,地方都市ヨークでココア製造業を営むクエーカー教徒 S. ラウントリーの「貧困 - 都市生活の一研究」.
(引用ここまで)

 この2つの研究は共に,生活できないか,それに近い貧困者が,都市の人口の約30パーセントをも占めることを示していました.そして,

(以下引用)
- ブースとラウントリーの2つの社会調査は,19世紀末までのイギリス社会が,せいぜいのところ7割の大衆社会でしかなかったということを,初めて事実をもって明らかにする一方,(中略)(イギリスが)さらに福祉国家を指向して前進しなければならないことをも世人に知らしめたのである.
(引用おわり)

 ラウントリー社はいつの間にか本拠をヨークから,隣町のリーズに移したのだろう.ネッスルによる買収の話が持ち上がり,人々は必死に抵抗したらしい.リーズの町は100年に1回ぐらいしか開催されないという「長老会議」を開いて対策を練った.けれども,努力のかいなくラウントリー社は外国企業に乗っ取られてしまった.
 その後の小さなエピソードもある.EU統合の話が持ち上がったとき,「チョコレート」の定義が話題になった.英国のチョコレートは夾雑物が多くて,大陸側の基準からすると「チョコレート」の名に値しないと酷評された.

 いまキットカットチョコレートの箱には「ネッスル=マッキントッシュ」の社名が書かれている.いちご味やバナナ味など,変てこなキットカットチョコレートが次々と発売されている.
 英国人は紅茶を楽しむ人々である.その紅茶にキットカットチョコレートは,ぴったりとフィットする.そういう習慣をもたない人が「改良」したキットカットチョコレートに,明るい未来はないと思う.

 - で,それが自然史博物館とどういう関係があるの?
 - そ,それはデスね~(汗)

希望は比例代表制

 自民党と公明党ががっちり選挙協力をして候補をうまく立てているのに対し,彼らと反対の政策を掲げる勢力は独自候補にこだわる.これでは勝てない.小選挙区制という選挙の仕組みに対応した戦術となっていない.しかし参院選のもう1つの制度,比例代表制となると,話は別だ.

 参院選の制度を復習しておこう.参院の定数は242人.今回の選挙では,このうち半数,つまり121人を改選する.そういう選挙である.
 121人の内訳は,選挙区制が73人.比例代表制が48人だ.投票所では有権者は紙を2枚もらう.1枚は選挙区用.もう1枚が比例代表用.

 選挙区78人については与党の圧勝が見込まれる.理由は野党が選挙協力をしないからだ.この愚かさを本ブログは再三にわたり指摘してきた.しかし,もう1枚の投票用紙,比例代表については,事はそれほど絶望的でない.

 わずか48と言うなかれ.1議席のあるなしが国の命運を左右する.議席の3分の2が賛成派となれば,与党は憲法改正に着手できる.何もかも政府の思うまま,なすがままになる.あの愚かな戦争に突き進んで行った時代と同じ状況ができあがる.

 比例代表制というのは,理屈のうえでは理想的な制度だ.たとえば政府の提案に賛成の国民が60%,反対が40%いたとする.そういう国で仮に議員を10人選んだら,議員のうち6人が賛成派,4人が反対派となる.これが比例代表制である.小選挙区制では60対40という意見分布が,議員の数では9対1とか10対0とかに増幅されてしまう.

 比例代表制では,国民は自分の判断だけを頼りに,1つの政党を選べばよい.小選挙区のように「より当選しそうな人を」などという作戦は不要.本来ならもっと拡充されるべき制度だと私は思います.比例制に希望をつないで,しっかり投票しましょう.

 話題を変えよう.
 有権者として最も愚かな行為は「棄権」です.
 月並な言い方だけど,選挙は国民が「発言」できる場である.主権者として力を行使できる,ほとんど唯一のチャンスだ.「棄権」とは,「私は発言しません」と公言するようなもの.

 「権利」とは,使わなければ萎縮し,やがて消滅するものだ.使えば拡大充実する.民主主義社会とは,その構成員1人ひとりが権利を行使して,それで初めて正常に運営ができるもの.そういう仕組みになっている.この社会の進路を狂わせる最大の悪行,愚行が,「棄権」という行為です.

 どの政党に投票してよいか判らない,といいう意見をよく聞く.ウンコのかかった飯と,飯のかかったウンコのどちらかを選べと言われてもな〜,などとボヤく人もいる.その辺は,しっかり調べてください.政策をしっかり見比べて欲しい.自民党の憲法案について,TPPについて,原発再稼働について,どうあって欲しいと自分は考えるのか? ウンコだ飯だと抽象論で逃げているようでは,アンタも未熟だねと言うしかない.

 自分に関係ない,などと思っている人が,まだいるだろうか? 選挙結果は政治を変える.政治は君の生活を直撃する.

 もう一度書きます.棄権は愚かな行為である.これほど愚かな行為はない.

民主党はダメか?

 6月23日,参院選立候補予定者4人を招いた公開討論会という催しがあった.この行事終了後のロビーで,候補者の1人である武内則男氏(民主党)が,高知県議の塚地佐智氏(共産党)とあいさつを交わした.旧知の間柄であるらしく,2人は握手をした.私は思わず「そのまま! ずっとそのままでいてください」と叫んだ.

 握手ができる間柄なのに,なぜ選挙の候補を1人に統一できないのか.この選挙区,当選できるのは1人だけだ.自民党の候補が1人.公明党は候補を出していない.それに対し民主党と共産党はそれぞれ独自候補を立てている.これでは共倒れである.小学生でもわかる算数だ.

 候補を一本化できない理由は,このブログでも何度か指摘した.ひとつは独自候補にこだわる共産党の頑(かたくな)な姿勢である.もうひとつの理由は民主党の煮え切らない政策である.政党の採点表(本ブログの記事「選挙に行こう」を参照)を見ても,民主党の政策は自民や公明とあまり違わない.これでは民主党と仲良くしろと言うほうが無理である.

 しかし事はおとなの政治である.子供のケンカではない.政策の違いを飲み込んで,いま現実に何が必要かを考えて欲しい.特に共産党にその姿勢を求めたい.何度も書くが,このままでは自公を勝たせてしまう.何度も書くが,おとなの対応をして欲しい.あと2週間,握手をしていて欲しい.その後すぐ大げんかをして別れても構わない.

 公示後に立候補取りやめができるような制度ではないかもしれない.しかし仮にそれをやったら,選挙は自公と野党の一騎打ちとなる.野党が勝つ可能性もゼロでなくなる.

 私は共産党を支持しない.今のような頑な姿勢を維持している限り,政権を担当できる可能性はない.政権につけない万年野党では,提示される政策も,絵に描いた餅に等しい.政権についた経験もなく,外野で立派なことをのたまうだけなら猿でもできる.他党と協力して統一候補を立てて,政権の一翼を実際に担(にな)えるような,おとなの政党になって欲しい.変な純血意識を捨て,泥にまみれた国民政党,大衆政党として,国会での多数派をめざして欲しい.それのできない「いつまでも純粋な子供」の政党を,私は支持しない.

 支持しないけれど今回は,じつは共産党に投票しようかと考えている.まだ決めてないが,その方向に傾いている.共産党と民主党.2人の候補者がいるならば,どちらかに決めねばならない.選択の基準は,どちらがより当選しやすいか?だ.だから民主党に投票する,というのが従来のパターンだった.

 ところが今この期(ご)に及んでなお,民主党は評判が悪い.非常に悪い,と言うべきだろう.植草一秀さんなどは「民主党に投票しない」を選挙の「3原則」の1つとしている.悪評の理由は民主党の政策にある.ないし政策の不在にある.おそらく今回の選挙で,民主党は壊滅的な打撃を受ける.その後まだ体力が残っているのなら,おそらく党は分裂する.これほど先が見えている政党に投票するのか? と私は自問している.

 どうせ分裂するのなら,選挙前にそうすべきであった.民主党執行部は判断の時期を誤った.政策の違う人たちがズルズルと集まっているだけの,決断できない政党だ.どうせ負けるのであれば,投票すべきは民主党ではなく,共産党ではなかろうか.
 というふうな思考がふと脳裏をよぎる今日この頃である.

参院選: 五大争点と三原則

 植草一秀さん.
 いつもながら明快な論旨だ.7月5日の記事は「参院選の5大争点」について書かれている.
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-2d68.html
 その論旨をなぞってみよう.下記でハイフン – で始まる文は植草さんの発言.その後に1行空けて私のコメントを書く.

 植草さんの言う「参院選の5大争点」とは:

1.原発.
- メディアは原発問題を取り扱うが、線引きがおかしい。線引きは、「再稼働の是非」だ。

 「地球村」は各政党の政策を比較している.その中では20年先,30年先に原発ゼロとする政党を,賛成と反対の中間に置いている.
http://www.chikyumura.org/election/
 しかし植草さんのように「再稼働に賛成か反対か」という切り口にすれば,話ははるかに明快になる.

2.憲法96条の改正
- 96条が改定されれば、憲法の改変が激しく展開されることになるだろう。主権者を守るのが憲法。憲法が破壊されることは、主権者が破壊されることに等しい。

 じつは私は「96条を改正しよう」という主張は冗談だろうと思ったが,本気でそう言っているらしい.安倍晋三は憲法をまるで理解してないので仕方ないにしても,それに同調する人の多い事,あきれるばかり.

 しかし本当の争点は,「自民党の改憲草案に賛成か反対か」でしょうね.これについては,また別の機会に.

3.TPP
- TPPは誰の目にもはっきりと分かり易い。グレーはない。黒か白か。そのいずれかである。

 注意すべきは,党中央が賛成・推進なのに,地方議員が「反対」の旗を掲げているケース.「候補者の意見より、党の方針が優先されます」と,「地球村」は注意を呼びかけている.

4.消費税
- 2014年の8%、2015年の10%への巨大増税が計画されている。これを是とする勢力と非とする勢力は明確に分かれる。

 消費税そのものへの賛否ではない.上記の増税計画に賛成か反対かという切り口で見れば,賛否がくっきり分れる.

5.普天間移設問題
- 辺野古移設を阻止しようとする政治勢力と辺野古移設を推進・容認する政治勢力は明確に区分できる。


 植草さんが述べている「参院選の5大争点」は以上です.主要な争点を挙げれば,確かにそうなると思う.
 ちなみにアベノミクスとか,国会の「ねじれ」問題,尖閣諸島,その他メディアがやたら強調する話題は,目くらまし,ないし囮(おとり)でしょう.

 たとえばアベノミクス.これは安倍政権の評判を参院選まで持たせれば良いというだけのアドバルーンです.そういう囮の話題に賛成だ反対だと言っていたら,本当に重要な問題を見逃してしまう.

- 参院選投票日まで、残すところ10日余りである。

 そうですね.真剣に考えましょう.植草さんは次のように結んでいます.

- 原発推進阻止・憲法96条改定阻止・TPP参加阻止・消費税増税阻止・辺野古基地建設阻止の考えを有する主権者は、この方針を明示している政治勢力に「清き一票」を託す必要がある。
1.棄権しない
2.自公みんな維新には投票しない
3.民主に投票しない
の基本三原則を確認し、これを確実に守り抜くことが必要だ。

 民主に投票しない,ですか.う〜ん.

勝手に転載.孫崎亨さん

勝手に転載.孫崎亨さん.
 出典は「ソウル・ヨガ(イダヒロユキ)」です.
http://blog.zaq.ne.jp/spisin/article/3761/

(以下転載)
孫崎享氏の視点ー<2013/07/07> 騙される側の責任(伊丹万作氏の抜粋)

今、参議院選挙が行われる。
 自民党は原発の再稼働をする。貴方は原発の再稼働に賛成なのか。
 自民党はTPPに参加しようとする。貴方はTPPに賛成なのか。
 消費税の増税をしようとする。貴方は消費税増税に賛成なのか。
 普天間の辺野古基地移転をしようとする。貴方は沖縄県民の意思に反して実力行使をするのに賛成なのか。
 では何故自民党に投票するのか。

 いつの間にか選挙の争点をアベノミクスの是非を問うにされている。
 操作されている。
 しかし、我々の方に操作されたいという気持ちがあるのでないか。
 今一度、伊丹万作氏の言葉を読んでみたい。

この問題については第2次大戦後、伊丹万作氏が指摘し、何人かが引用している。極めて貴重な発言なので、共通の財産として皆で知っておきたい。

底本:「新装版 伊丹万作全集1」筑摩書房 、
初出:「映画春秋 創刊号」1946(昭和21)年8月 入力:鈴木厚司、
校正:田中敬三: 青空文庫作成ファイル

多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えて だまされていたという。私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。
(転載おわり)

 以下,たいへん重要な指摘が続く.詳細は「ソウル・ヨガ(イダヒロユキ)」を見てください.

 いま日本のマスコミは「世論誘導」を行なっている.原発再稼働は仕方ない.TPP参加はやむをえない.憲法9条を変えねばならない,etc. etc. …..  こういう情報操作が功を奏して,マスコミが意図したような方向に世論が流されている.日本人はだまされている.洗脳されている.

 かつて日本人は戦争に向けて突き進んで行った.軍部の独走,独裁.国民はだまされていた,って.本当にそうか? だまされた,と言っている人たちの責任もあるのでないか,と伊丹万作氏は指摘している.

(もう少し転載.伊丹万作氏の発言)
 普通のあり合わせの帽子をかぶつて出ると、たちまち国賊を見つけたような憎悪の眼を光らせたのは、だれでもない、親愛なる同胞諸君であつた
 (中略)だれが一番直接に、そして連続的に我々を圧迫しつづけたか、苦しめつづけたかということを考えるとき、だれの記憶にも直ぐ蘇つてくるのは、直ぐ近所の小商人の顔であり、隣組長や町会長の顔であり、(中略)あらゆる身近な人々であつた
(転載おわり)


 戦争への道を押し進めたのは「独裁者」ではない.その独裁者たちに1票を投じた国民たちがいた.国民はだまされた.だとすれば,だまされた側にも責任がある.
 戦争を押し進めたのは「民主主義」であった.1票を投じた国民たちにこそ,責任があった.

 いま参院選が近い.世論調査の結果を信じるならば,多くの国民は,だまされている.洗脳されている.そして1票を投じようとしている.あるいは棄権しようとしている.

 マスコミが垂れ流す情報が,君の心に1つのイメージを形づくる.君はそのイメージで思考し,投票行動(または棄権)を選択する.それではダメだ.それではダメなんです.よく考えてみよう.

- 自民党は原発の再稼働をする。貴方は原発の再稼働に賛成なのか。
- 自民党はTPPに参加しようとする。貴方はTPPに賛成なのか。
etc. etc. …

選挙に行こう

 「地球村」が,「選挙に行こう!参院選2013プロジェクト」という呼びかけをしている.
http://www.chikyumura.org/election/

 そこに各政党の政策を,TPP,原発,憲法9条改憲,の3点について比較した表が掲載されている.私流に単純化すると次のようになる.0は反対,1は態度不鮮明,2は賛成,を表わしている.お遊びついでに,スコアを単純合計してみたのが右端の数値である.なお下の表では政党の順序を,親和性の高そうな政党が近くに来るように,並べ替えてある.

        TPP    原発    憲法9条改正   計
幸福実現党    2     2      2      6
自民党      2     2      2      6
維新の会     2     1      1      4
公明党      1     1      2      4
みんなの党    2     1      1      4
民主党      1     1      2      4
生活の党     0     0      2      2
新党大地     0     0      1      1
みどりの風    0     0      1      1
緑の党      0     0      0      0
社民党      0     0      0      0
共産党      0     0      0      0
沖縄社大党    0     0      0      0

 右端の数値は単純合計だけど,庶民生活からどれほど隔たっているかを示す尺度になっている気がする.アメリカの意向にどれだけ忠実であるかの尺度でもある.反国民度,親米度,アメリカべったり度,とでも名付けようか.

 そのように書くと,違和感のある人もいるだろう.この表が正しい尺度となり得ていない理由,いわば欠点について書いてみよう.

 第1に,数字1は「政策を鮮明にしていない」ということであり,それは0(反対)と2(賛成)の中間とは必ずしも言えないこと.意地悪く解釈すれば,旗印を不鮮明にすることで中間層の票をねらう,姑息な戦術にもとれる.1は1ではなく,じつは2に近いかもしれないし,2よりさらに過激な「積極推進」の可能性だってある.

 第2の問題点.いま公表している政策が,実際の採決の場でどうなるかは別の問題であること.たとえば公明党は,TPPについては「重要項目を除外して参加」,原発は「ゼロをめざす」であるから,この表では民主党と同じに見える.しかし実際の採決の場では,両党は正反対の行動をとると予想される.つまり標榜している政策とは関係なく,公明党は自民党とイコールに近い.

 第3の問題点.表は3つのテーマについて比較しているけれど,テーマの選定は適切だろうか.たとえば憲法改正は,いま現実的に問題なのは9条をどうするかではなく,「自民党の改憲草案」に賛成か反対かという問いだろう.その基準で判定すれば,かなり違った結果になることが予想される.

 というのは,自民党の改憲案は,日本を戦争のできる国にするだけの単純な改憲ではないからだ.天皇は元首であると書いてある.国民の人権は公(つまり政府)の都合により制限できると書いてある.調べれば調べるほど,このような憲法を採用してはいけないことが判る.今の時点で賛否を問うのであれば,設問は「9条改正の是非」ではなく,「自民党改憲案に対する賛否」でなくてはならない.

 憲法について,もう少し書いておこう.「自衛隊」を「軍隊」に改名し,日本を戦争のできる国にしようという話だ.これは日本に対する米国CSIS(戦略国際問題研究所)の要望書である「アーミテージレポート」を抜きに語れない.第3次アーミテージレポート(2012)の主要な内容は:
 1.原発を再稼働せよ.
 2.TPPに参加せよ.
 3.韓国との関係改善に努力せよ.
 4.平和憲法を改正し,集団的自衛を可能にせよ.
である.つまり米国は憲法9条の改正を日本に求めている.いま9条を変えるとは,そういう要望を受け容れるということだ.

 そして「アーミテージレポート」は,日本軍をペルシャ湾に派遣することを求めている.イラク戦争のとき小泉政権が自衛隊をペルシャ湾に送ったけれど,それは後方支援に留まった.こんどは日本軍をペルシャ湾に送り,後方支援だけでなく,実際の戦闘行為も含めた仕事をするように求めている.そう書いてあります.「アーミテージレポート」を読んでください.

 そういう政治的状況を見た上での判断でなくてはならない.尖閣諸島を中国に取られそうだからというような単細胞リアクションでは,全くお話にならないのです.

 話をもとへ.
 政党の政策を比較した資料がいろいろ出ている.たとえば「プロジェクト99」という団体も,同じような通信簿を出している.なかなか面白い.
http://project99.jp/wp/wp-content/uploads/2013/06/2013saninsen_0627.pdf
 それらを参考にしつつも,自分なりの評価アイテム,自分なりの(独断と偏見による)採点により,自分なりの政党政策比較表を作ってみてはいかがでしょうか.
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