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比率が一定であるということ

 今年(平成26年)の東京都知事選で当選した舛添氏の得票数が,東京23区のどこにおいても,平成24年に当選した猪瀬氏の得票数の48%であったことから,そういう規則性がなぜ起こったのかを調べている.都知事選の過去データを,もう少しいじってみよう.
 5月8日の記事で「散らばりの小ささ」について書いた.得票の比率が,どの区においても0.48程度であったということは,比率は区ごとにあまり違わない,つまり変動が小さいということだ.そこで比率の数値の「分散」を比べたのが5月8日の記事だ.
 そのとき問題になったのは,比率の数値が大きくなると分散の数値も大きくなること.この点に対処するため,今回は比率の数値を平均値で割り算してから比較する.
舛添-猪瀬の場合.jpg
 具体的に説明しよう.右の表は平成26年の選挙での舛添氏の獲得票数(H26舛添)をH24猪瀬で徐算した数値である(コラムA).この数値の23区の平均値は0.486,分散は0.00026となる.
(表はクリックすると大きく表示されます).

 この分散の値を他の事例と比べたいのだけれど,それは平均値が同程度の事例としか比較できない.そこで今回は,コラムAの各数値を,平均値0.486で徐算した(コラムB).そうすると,コラムBの数値の平均は1に近い数値となる.そして分散の値(この例では0.00112)を,同じように計算した他の事例と比較することが可能となる.

 計算結果を下の表に示してある.当選者である石原氏-猪瀬氏-舛添氏の系列のほか,2回以上立候補した人の得票比を,比較のため示した.ただし,あまりに得票数の低い候補はハズした.

 上記のように計算した分散(B分散)の値を比べて頂ければよい.またB分散の値を H26舛添/H24猪瀬 のB分散値で徐算した「分散比」も示してある(注).分散比の目安としては,2.04なら確率5%,2.78なら確率1%である.たとえば H19石原/H15石原 は3.03で,1%の限界値2.78より大きい.つまりH26舛添/H24猪瀬 に比べ,23区の間での変動は極めて大きい.統計学的に「有意な」違いがある.

(注)23個の数値から分散を計算したので,分散比は第1自由度22,第2自由度22のF分布に従う.だからエクセルの関数FDISTを使って,分散比の値から確率を計算できる.


得票比の分散比.jpg

 なおA平均の値は,2回の選挙での得票数の比を概略表わしている.H15石原はH11石原の1.9倍,H24中松はH23中松の2.7倍もの得票をしていて,どちらの例でもB分散が大きくなっている.一方,H24猪瀬はH23石原の1.6倍の得票をしているのに,B分散は極めて小さい.

 得票数の大きな変動にもかかわらず,石原-猪瀬-舛添の系列では,23区間の得票比率は極めて変動が小さく,一定比率のまま維持されているという現象は,どのように説明できるのだろうか?

低い投票率

 数字ばかりいじって眼がかすんできたので,今回はちょっと一休みしよう.

 下の表は平成11年以降の都知事選について,東京23区の有権者数,投票者数,および当選者の得票数の推移を示している.有権者数が順調にゆるやかな増加を示しているのに対し,投票者数は大きく変動している.特に平成26年の投票者数は,いかにも低い.この選挙では16人もの立候補者があった.過去の事例では平成19年の14人,平成11年の19人など,立候補者が多かった選挙では,投票者数もそれなりに多い.平成26年の選挙では細川氏の立候補など話題も多く,なぜ投票率がこれほど低かったのか理解できない.何が原因で,これほど低い投票率になったのだろうか.

“票数の推移 グラフ.xls”のプレビュー.jpg
 図はクリックすると拡大表示されます.

 東京都知事選も含め最近はいろいろと「不正選挙」の噂が絶えない.「不正選挙」でネット検索すると,いろいろなブログやYouTube がヒットする.たとえば,
http://kaleido11.blog.fc2.com/?no=1757
は,衆議院選挙で「未来」に入ったはずの1000万票が消えてしまったと主張している.また,何の選挙のことだったのか忘れたけれど,投票所には長蛇の列ができていたのに,発表された投票率は異常に低かった,という指摘をする人もいる.

 選挙の結果に疑問を持ち,投票所の出口調査をした人たちもいる.参院選での出口調査の結果が,実際の選挙結果とあまりに違っていたという指摘もある.
http://blog.livedoor.jp/fuseikanshi/

 2012年の衆院選では,出口調査では自民党が苦境だ,と同党の三原じゅん子議員のブログが伝えている.ところが結果は....
http://richardkoshimizu.at.webry.info/201212/article_198.html


 私は陰謀論は嫌いだ.ましてユダヤとか在日なんとかが日本を操っている的な議論には全くついて行けない.しかし「不正選挙を主張するのは陰謀論だ」と断定して実情を調べもしないというのは,もっとダメでしょう. 事の大きさを考えて欲しい.公平であるべき投票の結果が,もし「操作」されていたとしたら...?

 この国の進路を決めるのは国民の投票である.これほど重要な意思決定が「操作」されるなどということは,その可能性すら微塵もあってはならないことだ.ところが現状はそうでない.上記の出口調査をした人たちに対して現場で選挙を管理していた人たちは,警察に通報してこの人たちを排除しようとしたらしい.こういう姿勢では,選挙が正しく行われてないのではという疑いは膨らむばかりだ.今の政府,役人,マスコミ,その他の現状を見れば,まさか不正はないでしょうなどと言える状況ではない.

 選挙の現状を調査し,とことん検証することが必要だ.そして票数の操作などの不正が起こらないような選挙制度に作り変えて行かねばならない.

比例関係

 東京都知事選挙で,東京23区のどの区においても,平成26年の舛添氏の得票数が,平成24年の猪瀬氏の得票数の48%である,という不思議な現象を調べている.

 これらの候補の得票数は,それぞれの区の有権者数とみごとに比例している.この点が他の候補と違っている.元データは東京都選挙管理委員会のホームページにある.下左の図は平成26年の都知事選の結果で,横軸に各区の有権者数を,縦軸にその候補者の各区での得票数をとったグラフ(散布図)である.候補者が16人もいた乱立選挙だったけれど,投票率は極めて低かった.このグラフには4人の候補者の得票だけが図示されている.どの候補の得票数も,有権者数と多少とも比例している.しかし舛添氏の得票は,この比例の度合いが際立っている.

 図はクリックすると拡大します.
H26グラフ.jpg

 また右側のグラフは横軸に有権者数ではなく投票者数をとっている.やはり舛添氏の得票は直線上に乗っているけれども,その度合いは有権者数の場合ほどではない.その他いろいろな事が,このグラフから示唆される.


 次のグラフは平成11年の都知事選の結果である.この時の当選者は石原氏.やはり当選者の得票数は,かなり直線に乗っている.しかし横軸に有権者数をとるよりも,投票者数をとった方が,より直線に近いようにも見える.

H11グラフ.jpg

 東京都知事選は平成11年,15年,19年,23年,24年,26年に行われた.うち始めの4回は石原氏が,平成24年は猪瀬氏が,そして26年は舛添氏が当選した.平成11年より前の選挙結果は,都選管のホームページには出ていない.さしあたりデータの利用できる上記計6回の選挙結果を,図と同じようなグラフにすると,次の2点が示唆される.

1.どの選挙でも,最高得票者(つまり当選者)は,得票数がみごとに直線に乗っている.
2.平成23年以降の3回の選挙では,当選者の得票と有権者数との直線関係は,投票者数との直線関係よりも,より顕著である.


 グラフを見ての判断だから,客観性に欠けるという批判も成り立つ.だから,上記の2点は,本当はきっちり計算して「証明」する必要があるが,今回はグラフの提示に留めておく.とにかく上記1の直線性,つまり著しい比例関係の存在ということが,H26舛添/H24猪瀬 の得票比が0.48だとか(上記),H23石原/H24猪瀬の得票比が 0.60 である等の原因である.

 比例関係がある,ということを,どう理解すれば良いのだろう?
 得票数が多い時は比例関係が目立つようになるのだろうか.
 その場合,投票者数よりも有権者数との比例関係がより顕著であるらしいのは何故か.
 選挙ごとに投票者数が変動し,当選者の獲得票数も大きく変動している.にもかかわらず各区での獲得票数が有権者数ときっかり比例する,という現象は,どういう仕組みによって起こったのだろうか.

 都知事選のデータを,もう少し調べて行きたいと思う.


追記.
 上記のうち2は正しくないかもしれない.2つの相関係数,「当選者の得票数 対 有権者数」と,「当選者の得票数 対 投票者数」を比べてみた(下の表).相関係数が1に近いほど,点は一直線に乗っているはずだ,H11の石原氏の得票数も,投票者数よりは有権者数と,より相関している.より投票者数と相関していたのはH15とH23であった.いずれにせよ大きな違いではないが,H26の舛添氏の得票だけが,投票者数ではなく有権者数とはっきり関係しているように見える.
“相関係数まとめ.xls”のプレビュー.jpg

都知事選,散らばりの小ささ

 最近の国政選挙では,開票結果が本当に正しいのだろうか,ひょっとして数字が操作されているのでないか,といった可能性が,いろいろ指摘されている.孫崎亨氏が指摘しているのは東京都知事選挙の結果で,平成26年の選挙で当選した舛添要一氏の得票数が,平成24年に当選した猪瀬直樹氏の得票数の0.48倍になるという事実だ.東京23区のどこでも0.48倍で,このような均一性が自然に起こるとは考えづらいという.
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%AD%AB%E5%B4%8E+%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E9%81%B8%E6%8C%99

 また,平成23年の石原慎太郎氏の得票が,平成24年の猪瀬氏の0.6倍になる,という「不自然さ」を指摘する人もいる.選挙結果の数値は東京都選挙管理委員会のホームページに掲載されているので,これらの指摘がどれほど当たっているかを,まず確かめようと思う.そして,もし指摘通りであるならば,そういう事がなぜ起こったのかを調べることが,次の作業になる.

1.散らばりの大きさ
 以下は東京23区に限って話を進める.まずH26舛添/H24猪瀬 の比を23区それぞれについて計算する.この23個の数字について平均と分散を求める.蛇足ながら,分散(variance)とは「散らばりの大きさ」を示す数字である.H26舛添/H24猪瀬の場合,平均(平均値ともいう)は0.486,分散は0.00026となった.

 で,この数字は小さいのだろうか.「通常なら,この程度の値になる」という情報が必要だ.過去の都知事選に何度か立候補している人について,2回の選挙の得票数の比を調べてみる.たとえば宇都宮健児氏,ドクター中松氏,マック赤坂氏などである.ただし得票数があまりに少ない候補は,誤差が大きくなると考えられるので,考慮しないことにする.

 もう1つ気付いたことがある.それは,比率の数値が大きくなるにつれ,分散の値もまた大きくなることだ.この効果をできるだけ減らすために,平均値が0.48に近い例だけを調べる.必要なら分母と分子を逆にする.たとえば H24猪瀬/H23石原は平均値が1.6程度であるが,分母と分子を逆にすれば 0.6程度になる.

2.分散比
 分散が求まれば,比較したい2つの分散の比,つまり分散比を計算すれば良い.数値の小さいほうを分母にする,という注意が必要だ.分散比はF-分布に従う. 何とアバウトな! と叱られそうだけど,厳密な「統計的検定」でなく1つの目安ぐらいに考えてFの確率を調べる.

 一般に,統計的検定では,「有意水準」というものがある.多くの場合,確率が5%より小さければ,その事象は「メッタに起こらない」と判定される.もっと厳しく,確率1%を基準にとることもある.この5%とか1%とかを「有意水準」という.

 今回のデータではn= 23個の数字の平均と分散であるから,自由度 n-1 は22.そういう分散の比をとったのだから,分散比F の自由度は分子分母ともに22である.F がどういう値より大きければ2つの分散が「等しくない」と判定されるかというと,5%水準ならF = 2.04 程度である.1%水準なら F = 2.78 程度.
 なお,エクセルの関数では次のように入力すれば確かめられる.
= FDIST ( 2.04, 22, 22)
または
= FDIST ( 2.76, 22, 22)
 それぞれ0.05または 0.01 程度の数値が表示されるはずです.

3.計算した結果は
 次の表では H26舛添/H24猪瀬 を分母に置いて,分散比を計算している.3〜6の中松氏や赤坂氏の分散に比べ,舛添/猪瀬 や石原/猪瀬の分散はゼロが1つ多い.そして実際 舛添/猪瀬の分散を分母にして分散比を求めると,2.78よりずっと大きな数値になる.対して,石原/猪瀬 は,舛添/猪瀬 と有意差がない.

“分散比 打出用.xls”のプレビュー.jpg

 表に書かれてない宇都宮氏についてはどうだろうか.H26宇都宮/H24宇都宮 は平均値 1.047,分散0.00721である.これと比較できる平均値のものとして H19石原/H23石原 がある.後者の平均値は1.058,分散は0.00173 である.よって分散比Fは,
F = 4.17
程度の値となる.これは1%水準の2.78より大きい.

 以上,まことにアバウトな計算で,ツッコミどころ満載の計算であるが,いちおうの結論は:
 舛添/猪瀬 だけでなく,石原/猪瀬も,石原/石原も,いずれも地区ごとの変動が著しく小さい.
ということだ.議論の出発点,つまり「1.散らばりの大きさ」に書いた問題設定の,これが答だ.

 じつは,舛添,猪瀬,石原の3氏については,地区ごとの得票数は,それぞれの地区の有権者数とみごとに比例している.元データをダウンロードして,自分で確かめてみてください.

4.エピローグ
 「これが答だ」と書いてしまったけれど,「とりあえずの」答というべきかもしれない.本当はもっと研ぎすませねばならないのだけれど,ここでは大まかな道筋のみを書きました.

 相関係数による分析をしている人もいる.
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-11798680218.html
それも1つの方法である.今回は別の方法を紹介した.とにかく日本中で,もっと多くの人に,都知事選のデータを検討してほしい.話題にして欲しい.舛添氏の得票は不自然なのか,不正があったのか,等は,その先の問題だ.

不正選挙

 48%である.平成26年の東京都知事選挙で舛添要一氏が獲得した票数は,平成24年の都知事選で猪瀬直樹氏が獲得した票数の48%である.都全体の総得票数の話ではない.東京23区の,どの区においても,H26舛添/H24猪瀬 の得票数の比率は48%に極めて近い数字になる.23区以外の市や町については,もっと散らばりが大きくなるらしい.しかし,これほど均一な結果が,はたして偶然に得られるものだろうか,と孫崎亨氏は言っている.YouTubeで4本全部聴いたら30分ほどかかるけれど,聴く価値のある内容です.
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%AD%AB%E5%B4%8E+%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E9%81%B8%E6%8C%99

 選挙の開票結果が操作されている?
 最近の日本,特に3.11以後の日本では,巨大な力をもった人や組織が平然と嘘をつく.「権威」あるいは「信頼」といったものが消失している.これほど嘘が蔓延している現状を見れば,選挙を管理する人々や機械が嘘をつかないとは,とても断定できない.国民ができるのは投票まで.以後の票の扱いはブラックボックスである.中を覗くこともできないし,「第3者によるチェック」などもない.開票結果の正しさを保証するものは存在しない.

 当局が発表する開票結果は,間接民主主義の基礎である.事実をそのまま伝えてもらわねば,社会制度そのものが偽物になってしまう.タテマエは民主主義だが内実は独裁政治,というような社会になる可能性もある.

    *    *    *

 開票とは,票を仕分けして数えるという基本操作だ.獲得票数は,いわばモノサシで読み取る「長さ」や,温度計が示す「温度」のようなものだ.しかし,そういう基本データですら,当局の発表を鵜呑みにできないのが昨今の日本だ.データの一部を隠蔽したり改変するのも当り前というご時世である.

 モノサシや温度計それ自体が,正しくない数値を示す場合もあるだろう.実際,開票結果が明らかに間違い,という事例もある.
http://ameblo.jp/gnkx29/entry-11572999713.html

(以下転載)
2013/08/29 NHK21時のニュース
 七月に行われた参議院選挙の開票結果で、香川県高松市の投票所では 比例代表選出の参議院議員の衛藤晟一氏の得票率が0票だった。
 全国で20万票獲得した衛藤氏の得票数が「0」というのは考えられず 高松市の自民党支持団体も「衛藤氏に投票した」と証言。
衛藤議員は「0票はありえない」と憤ってる。
(転載おわり)

 この一件では,選挙管理委員会は,衛藤氏は当選したんだから良いではないか.開票をやり直しても結果が変る訳じゃないし,やり直し開票には労力や経費がかかりすぎるので,再検討はしない,という趣旨のことを言って,それで一件落着.

 開票をやり直さない理由はコストや労力という,およそ信じられないことがまかり通っている.選挙という重要なイベントが,これほど軽視されて良い訳がない.

 間接民主主義は,開票結果からすべてが始まる.基本中の基本である.衛藤氏の事例は,その基本が信用できないことを示している.事は深刻である.間違いの原因は何だったのかを徹底解明する作業が必要である.また長期的には,選挙の開票結果が正しいかどうかを判定できるように,開票の仕組みを見直す必要がある.

    *    *    *

 都知事選の結果に話をもどす.舛添氏の得票数は猪瀬氏の48%である.どの地区でもそうで,こういう一致は偶然には起こりえないだろう.これほど重大な問題についても,マスコミは沈黙している.

 もちろん,今やすっかり平壌放送の日本版に成り下がったNHKなどに期待してはいけない.さいわい各候補の地区別得票数は,東京都選挙管理委員会のホームページに出ている.まず孫崎氏の指摘を検証するところから始めればよい.そして,なぜそういう結果になったのかを,もっと全国的に大規模に議論し合う必要がある.

 国民投票法なるものが今国会で成立する見通しだという.そしてファシスト安倍晋三は,悲願であった憲法改正を実現しようと目論んでいる.その重大なステップである投票と開票の仕組みが,上記のような惨状である.事の重大さを国民は広く認識せねばならない.

順番を待つ豚

 肉屋に包丁を渡してしまった豚だ,と. 参院選で安倍政権の自民党が圧勝したとき,そのように日本国民を評した人がいた.

  ***   ***   ***

 4月から消費税が値上げされる.それで良いんですか? と,道行く人に尋ねたら,「良くないけど,抵抗しても無駄だから」というご意見.

 う〜ん.じゃあ,原発再稼働は? いま政府は原発再稼働に向けてまっしぐらだけど,これで良いんですか? これも「抵抗しても無駄」ですか?

 じゃあ,集団的自衛権は? このままでは日本は再び「戦争をする国」になりますよ.それで良いんですか? やっぱり「抵抗しても無駄」ですか?

 このまま進んで行くと,やがて徴兵制ですよ.お国のために死んでくださいと言われますよ.どうしますか?

- いや,いくら何でも,それは無いでしょう.中国や韓国が侵略して来るのに備えねばなりません.防衛のためですから.日本が戦争を起こすわけではない.まして徴兵制など,民主国家の日本が,そのような事をする訳ないでしょう.

と思ってませんか?

  ***   ***   ***

 多くの国民が,たぶん半数以上が,良くないと思っていること.たとえば消費税の増額,たとえば原発の再稼働.こういうことを安倍政権は推進しています.どうしてこのような非民主主義が通用するのか? いろいろな理由があるけれど,最大の問題は国民の無関心.

 抵抗しても無駄.仕方がない.だから沈黙している? 現状より生活は苦しくなるけれど.多少は悪くなるけれど仕方ない?  いえいえ,その程度では済みませんよ.安倍政権は次々と改悪を進めています.道徳教育,軍備拡張.あの無謀な戦争に突入して行った歴史を,そのままなぞろうとしています.黙っていたら,事態はどんどん悪化します.

 マルチン・ニーメラーという人の有名な言葉を思い出してください.

(以下転載)
ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった
(転載おわり)

 君はいつ反対をするんですか? いつ声をあげるんですか? 徴兵制が決まっても,「抵抗しても無駄」路線で行くんですか?

  ***   ***   ***

 今の日本人は政治について語らない.政治はタブー.政治について語るのは悪いこと.だからテレビはエンタメとかグルメとか,当り障りのない話題ばかり.

 いつから日本人はこのように飼いならされてしまったのか.まるで,食べられる順番を待っている豚の群れ.それが今の日本人.そう,君のことです.

暴走するNHK

 テレビ放送の没落ぶりが目に余る.政府の提灯持ちはするけれど,それ以外の政治に関してはまるでタブーである.どの放送局も,当たり障りのない話題に終始している.ネコ,食べ物,スポーツ,芸能界,... たとえて言えば,家が燃えているのに,その話題はタブーで,道ばたのお花の話ばかりしているようなものだ.この国は大変な危機に陥っている.

 「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と言ったらしい.NHKの会長になった,その就任会見での籾井氏の発言である.今後NHKは政府の広報機関になります,という宣言のようなものだ.どうひいき目に見ても,ジャーナリズムの基本をハズしている.こういう人がトップである巨大マスゴミの報道は,とても信用できない.

 まさに戦時中の大本営発表だ.負けている戦争を勝った勝ったと報道し,退却撤退を転進(作戦変更?)と言いくるめた.同じ姿勢を3.11以後のNHK報道はとり続けている.今後は会長自らが率先して,この大本営発表を実践して行きます.まあ,そのような発言だと理解できる.NHKは不偏不党ではなく,公共放送でもなく,政府の広報機関でしかない.そういう宣言だ.

 しかも籾井氏は就任そうそう,10人の役員全員に,日付欄を空白にした辞表を提出させたのだという.まさかそこまでは,と最初思ったけれど,その後の展開を見ると,もはや疑うことのできない事実である.植草一秀氏の「知られざる真実」によると:

(以下転載)
 NHKの「人」の支配の構図は、内閣-経営委員会-NHK会長-NHK理事会という流れになる。内閣総理大臣が経営委員を任命し、経営委員会がNHK会長を任命する。

 NHK会長は経営委員会の同意を得てNHKの理事会メンバーを任命する。(中略)そして、安倍政権がNHK会長に送り込んだ、偏向した籾井勝人氏は、NHK会長就任に際して、理事に辞表を提出させていた。
(転載おわり)

 衆議院でのやり取りの中で籾井氏は,「辞表を預かったことで理事が萎縮するとは思わない」と言ったらしい.「一般社会ではよくあることだ」とも.

 この人,本当にNHK会長ですか.早くやめて欲しいと思う.誤解や勘違いではない.どこで間違えたという話でもない.何もかもが間違っている.

 一般社会で「よくあること」かどうかは分らない.堂々と実施できるような事ではないのだから,実施したとしても秘密だろう.籾井さんは何かをご存じで,それが道理に背くことでないと言うのなら,どういう会社の誰がいつやったのかを公表すべきでしょう.

 もう1つの間違いは,一般社会で「よくあること」だからNHKもそうして構わない,という論理.ジャーナリズムは一般社会とは違う使命を担っている.一般社会と同じで構わないという発言は,そういうジャーナリズムの特殊性,社会的重要性を認識してない証拠です.

 辞表を提出させることで,会長の意に沿わない事があればいつでも会長独断でクビにできる,という客観的状況が生じる.ピストルを構えて,下手に動けばズドンだぞ,という客観的状況を作り,これで皆が「萎縮するとは思わない」と言っているようなものだ.それ以外にどういう効果を期待して辞表を提出させたのか,合理的に説明できる所為ではない.

 それだけ真剣に取り組んで欲しいという趣旨だ,というようなことを籾井氏は言っていた.そうであれば,と誰かが言った.籾井さんご自身も,当然ながら辞表を書いたんでしょうね?

 理屈をこねまわすのも時間の無駄だ.要するに,政権べったりの人が,自分の意に沿わない人をいつでもクビにできる体制を造った.そういう事だ.ここまで明快な事実を見て,なおNHKがジャーナリズムとして機能すると考えるのは愚かである.籾井氏は1日も早く会長を降りて欲しい.受信料を払っている一市民として,私はそれを強く要望します.

細川氏に一票

 われながら月並みな意見ですが,とにかく意思表示しておきます.

 細川護煕氏を,私は高く評価しない.人間としてはともかく,政治家としては足腰が弱いように思う.また細川氏を押している小泉純一郎氏に至っては,これほど信用できない人も珍しい.そもそも小泉氏は利権と処世術が行動原理の人だ.高邁な理想のもとで脱原発を唱えているとは考えにくい.

 都知事選の候補者の中で最も信頼できるのは宇都宮健児氏だ.発言の1つひとつに重みがある.実績もある.実行力もあるだろう.だから,もし私が東京都民なら,宇都宮氏に投票するのが最善かもしれない.民主主義の建前から言っても,そうすべきではないか.そういう意見もある.

 しかし,都知事選の現状を考えると,宇都宮知事が実現する可能性はほぼゼロである.立派な政策と,伝え聞く高い人格.こういう人が知事になれないとは,本当に残念なことだ.残念至極である.しかし,宇都宮都政は「絵に描いたモチ」である.夢である.非現実である.どんなに美味そうに見えても決して実現しない.この点を甘く見てはいけない.「こうあって欲しい」ことと,現実に「こうである」こととは,切り離して考えねばならない.

 もし絶対王制の時代に共産主義者がいたら,この人はどういう政治行動をとるだろうか?という仮定話を聞いたことがある.きっと一挙に共産主義を目指したりはしないだろうと言うのだ.社会は段階的に発達する.まずなすべき事は,絶対王制を廃して民主主義の社会に変えることだろう.

 そのように発言していた人は,日本共産党の党員だった.共産主義を理想としていても,現実に合わせて,段階的に社会を変えて行かねばならない.一挙に理想を実現しようとするのは「空想的」社会主義であり,科学的でない.そういう主張であった.

 今の都知事選を見て,もう一度考えてみよう.どのように理想的に見えても,宇都宮都政は「絵に描いたモチ」である.実現不可能な理想を夢見るのは「空想的」であり,科学的でないのでないか.絵に描いた理想論ばかり唱えて,それが実現しないのは都民がバカだからだ,というような発想しかしないのであれば,もう日本共産党は存在意義のない無用政党というほかない.

 細川氏の政策は脱原発が中心である.また細川氏の過去の姿勢から言っても,自民党にぴったり寄り添うような政治を良しとしないだろう.しかし背後に小泉氏がいる.細川氏はともかくとして,小泉氏は信用できない.だから仮に細川都政が実現したとしても,監視の目は緩めるべきでない.残念ながら,そういう現実もある.

 しかし,あらゆるマイナス面を考慮に入れたとしても,それでも細川氏に投票すべきだ,と私は思う.今回の選挙は都知事を選ぶという次元をはるかに超えて,日本の近未来に大きく影響するだろう.国政選挙はまだ遠い先の話.それまでの間に安倍晋三はどれほどの悪行非行をなし遂げるだろうか.国民が発言できる最大の機会が都知事選であり,各地の地方選挙である.「われわれは安倍晋三の政策を支持しない」.そういうメッセージを,国民はハッキリと,くっきりと,提示せねばならない.最も避けねばならないことは,かのネズミ男を都知事にしてしまうことだ.

 だから実現可能な対立候補,すなわち細川氏に,票を集中させねばならない.まだ絵に描いたモチを夢想している人たちは,ことの大きさを理解しているだろうか?

笛吹き再訪

 今日は雑談です(タイトル変更).

 笹の花は滅多に見られない.しかし開花するときは広範囲の,時には山全体の笹が,一斉に開花する.おそらく地下茎でつながっているのだろう.私は笹の花を何度か見たことがある.最も記憶に残っているのは高知県と徳島県の県境にある三嶺(さんれい)という山での体験で,もうずいぶん以前の話になってしまった.

 開花にひき続いて起こるのが結実だ.笹の実とはどういうものか憶えていないけれど,想像するに,稲のできそこないのような形状ではないだろうか.栽培種の稲のようなリッチな稲穂ではなくて,穂軸のまわりに種子がパラパラとまばらに付いているようなものだろう.

 それにしても笹が稲のような種子を結実させる.そして黄金色の稲穂は古来,日本人にとっては宝物である.めったに見られない笹の開花と結実.それが山全体を巻き込むような規模で起きたとしたら,山麓の村ではさぞ話題になっただろう.歌にも歌われたかもしれない.たとえばこういう歌だ.

会津磐梯山は宝の山よ
笹に黄金が成り下がる

 笹の大量結実にひき続いて起こることと言えば,ネズミの大発生だ.突如として出現した豊富な食料を基礎に,山のネズミが個体数を急激に増加させる.そして集団で移動を始める.ネズミの群れは山麓の村を襲い,農作物を食い荒らす.最悪の場合これは飢饉の原因となる.

 ここで話はしこたま飛躍する.
 ネズミの大量発生といえば,すぐ連想するのは「ハメルンの笛吹き」である.ネズミの大発生に苦しむ中世ドイツの町ハメルンに1人の男が出現.笛を吹いてネズミを退治した,という物語だ.これが物語の前半.

 後半も面白い.やっとネズミがいなくなって人々は笛吹き男に感謝せねばならないはず.ところが市長は謝礼金を払わなかった.怒った男は再び街角に立って笛を吹く.すると今度は町の子供たちが集まって,男について行く.そして山の洞窟?に消えてしまう.

 福島県はいま苦しんでいる.磐梯山に笹の花が咲いたからではない.「夢のエネルギー」とうたわれた原発が事故を起こし,今なお放射能をまき散らしているからだ.東京電力や政府やNHKは,国民の目をこの現状から逸(そ)らさせようと躍起になっている.しかし現実に汚染は継続している.隠蔽や嘘はいずれ発覚し,大きな問題となるだろう.もちろんその頃には,現在の責任者や担当者は退職して,悠々自適の年金生活を送っていることだろう.このみごとな無責任体制の存在に,人々は早く気付かねばならない.

 ハメルンの笛吹き.物語のおまけは不思議な後日談だ.連れ去られた子供たちは,じつは遠隔地に集団移転していたらしい.
http://blog.livedoor.jp/uradowan/archives/2011-05.html

 今でも福島県は笛吹きを必要としている.子供たちを汚染地から連れ去って集団疎開させること.そういう笛を吹いてくれる人を,である.

安倍政権と日本のゆくえ

 安倍政権の発足から1年.この政府は日本をどうしようとしているのか?

 安倍首相の「夢」は憲法改正である.その夢の実現に向けて「特定秘密保護法」を強引に国会通過させた.正確に言うならば,本当に「通過」したと言えるかどうかが検討されるべきと思う.しかし法の番人たるべき裁判所が皆様ご存じの体たらくであるから,ああいう無法もまかり通るのでしょう.

 それにしても,自民党が衆参両院で多数を占めているという現状がある.安倍政権は何でも勝手に決めることができるという,いわばフリーハンドを手にしているようなものだ.安倍首相にすれば,これは千載一遇のチャンス.この機を逃してなるものかとばかり次々と手を打って,日本国を作り替えて行くことだろう.今まで何をして来たか,そして今後何をするかを概観してみよう.

1.国民の生活は圧迫される.
 生活保護や年金の削減.増税.その一方で大企業への優遇措置.また労働者派遣法の改悪により,解雇や派遣が容易になり,賃金は切り下げられる.
 TPPへの参加で,日本の農家は大きな打撃を受ける.日本が世界に誇る「国民皆保険」の制度も空洞化される.地獄に突き落とされる国民が量産される.
 来年度の予算案は95.9兆円.過去最大だという.日本は財政再建が必要で,そのため消費増税が必要だと聞いていたが,あれは嘘だったのだろうか.
 「人からコンクリートと兵器へ」の重点シフト.この巨大予算のツケを払うのは,上記の通り国民である.

2.軍備は拡張される.
 武器輸出3原則を見直して,輸出を容易にしようという動きがはっきり見える.戦争によって利益を得る企業(死の商人)として,安倍氏の親族である「三菱」の名を挙げる人もいる.
 周辺諸国と必要以上の緊張関係を作り,世論を煽って,日本を「戦争のできる国」に作り替えようとしている.自衛隊は米国の傭兵となる.

3.原発を再稼働させる.
 国を戦争に向かわせる以上,兵器である原爆の製造能力を確保したい.そのためには原子力発電所に稼働してもらわねばならないと,政府は多分そう考えている.
 その一方で原発事故への対応には,できるだけ金をかけないようにする.放射能の封じ込めはせず,住民を汚染地から移住させず,汚染状況を隠蔽し,汚染食料を流通させる.

4.米国にはノーと言わない.
 TPPへの対応や,秘密保護法が唐突に国会提出された事例を見ても,米国からの提案にはノーと言わない.日本国民の利益よりも米国(ジャパン・ハンドラーズ)の意向を重視.この,あきれるばかりの忠犬ぶりは,安倍首相の祖父である岸信介氏の姿勢をみごとに踏襲している.

5.国民に情報を与えない.
 安倍氏の政治の大きな特徴は「秘密」と「嘘」.
 秘密保護法には米国から要望された以上の規制を盛り込んだ.原発事故だけでなく,政府に都合の悪い情報を漏らした役人,知ろうとした国民は,厳罰に処せられる.
 安倍氏が「嘘を平気でつく人」であることは,今や世界の常識です.

 以上,思い付くままに書いてみました.まだまだ書き足りない.

 国会での議論を嫌い,多数で押し切る強引さ,国民の「知る権利」の否定,生存権の軽視,好戦的な政策,靖国参拝,まるで明治維新の時代にタイムスリップしたかのような発想.安倍内閣のやっていることは,要するに日本国憲法の精神をことごとく破棄しようというものです.日本国民はおよそ考え付く中でも最低最悪の人を首相にしてしまったのでないでしょうか.
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