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米国と日本とTPP

 昔,「年次改革要望書」というものがあった.日本政府がとるべき施策について,米国からの要望が書かれたものだったらしい.日本政府の政策とは形ばかり.じつはこの要望書に指示されたことを,そのまま実行していた.それが日本の政治であった.人材派遣の自由化,大規模小売店店舗法の廃止,郵政民営化など,いずれもそうだった.小泉改革などとマスコミはカッコ良く描いて見せたけれど,何のことはない,米国の意向をそのまま実行しただけの傀儡政権であった.

 その習慣を止めたのは,鳩山由紀夫だった.年次改革要望書という制度を廃止したのである.この大事件を日本のマスコミは報道しなかった.したのかもしれないが,大きくは報じなかった.

 こういう大改革は,既得権を持つ人たちに不都合である.いろいろな事件が起こりうる.ケネディ暗殺は,そういう一例だろう.鳩山由紀夫は暗殺されなかったが,普天間基地の問題での失策などが大きく報道されて退陣に追い込まれた.親の財産がどうだとか,ほとんど言いがかりのような「問題」が,意味ありげに流布された.マスコミや官僚など,日本の既得権者たちが大活躍をした.背後に米国からの働きかけがあったのかどうかは誰も知らない.

 というわけで,鳩山が退陣し,後がまに座った菅直人は「日米経済調和対話」というのを始めた.つまり,再び米国の意向を受け容れるようにした.これで民主党は変質した.

 そしてTPPの話が浮上した.
 まだ民主党政権(野田内閣)だったとき,自民党は「TPP参加の判断基準」6項目を発表している.(2012年3月).
https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/recapture/pdf/055.pdf
その内容は次の通り.
1.政府が,「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り,交渉参加に反対する.
2.自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない.
3.国民皆保険制度を守る.
4.食の安全安心の基準を守る.
5.国の主権を損なうようなISD条項は合意しない.
6.政府調達・金融サービス等は,わが国の特性を踏まえる.

 なお上記文書には,次の1文が添えられている.
- わが党(自民党)は,政府が11月と同様に二枚舌を使いながら,国民の知らないところで,交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さないよう,政府に対して,上記の判断基準に沿うことを強く求めていきます.  発行:自由民主党広報本部  編集責任:広報本部長 甘利 明

 1は関税撤廃の話.日本のマスコミはこの問題ばかりを取り上げて,農業関係者が反対していることばかりを強調していた.2は輸出入の上下限の取り決めに対する警戒かな? そして3〜6が自由貿易の「非関税障壁」に関する事項.さすが自民党.要点をズバリ押さえている.そして昨年12月の衆院選.自民党の多くの候補者が「TPP反対」を掲げて当選した.

 この選挙では自民党の大勝が予想され,実際そういう結果になった.安倍晋三は選挙期間中すでに政権奪取後の計画を練っていた.TPPへの参加は当時すでに既定路線であった(「点検100日安倍政権」朝日新聞4月4日).しかし安倍氏はTPP賛成などと言わないで,自党の地方議員らが反対を唱えるのを放置した.その方が選挙に有利と踏んだのでしょう.

 そして今は安倍内閣.自民党は政権政党で,TPP参加に向けて邁進している.上記6項目については,いずれにも安倍内閣は対応できてない,または対応できない可能性が高い.

 私の苦手な話題ばかりが続くので,今回はここまでにします.

TPPposLDP2.jpg

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Ladybird

shira 様,nice!をありがとうございます.

by Ladybird (2013-06-20 18:39) 

ayu15

年次改革要望書という制度を廃止て全然知らなかったです。
この国にも首相より強い権力があるようですね。


巨人新聞が松本サリンの反省から「メディアの役割は権力のチェックである。」と発言していました。

本当の権力には迫れず形ある民主党批判で終わったようです。
あ~ぁ・・・(-_-;)
by ayu15 (2013-06-25 12:35) 

Ladybird

ayu様,nice!とコメありがとうございます.
 米国からの独立は,日本の大きな課題ですね.

 巨人新聞さん,立派な発言をしているんですね.紙面からは想像できないポリシーというか...

by Ladybird (2013-06-26 03:36) 

Ladybird

 「晴耕雨読」に次の記述がある.
 出典は【政府は必ず嘘をつく:堤未果】ーアメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること。http://amzn.to/ziLwMO

(以下転載)
日本の政策は「年次改革要望書」を通じ、米国の意向に基づいて起草されていたが、小沢・鳩山政権は、発足直後にこれを「破棄」に持ち込んだ。

つまり陸山会裁判は、宗主国に反旗を翻した小沢一郎に対して「米国側利権保護の実働部隊である東京地検」が国策捜査を発動し、反逆者を静粛したという図式だ。

鳩山が廃止した「年次改革要望書」は、周知のとおり菅政権で「日米経済調和対話」として復活した。

つまり日本のマスメディアは「小沢・鳩山の救国的行為を一切取り上げることなく、反対に背徳者として喧伝していた」わけで、「一般日本国民の認識は、マスメディアによって捏造されている」ことになる。
(転載おわり)


 それにしても日本国民はアホですね.たやすくメディアに流されて,軍国少年少女が大増殖.まさに戦前と同じ状態.みんな,もっと歴史から学ぼうよ.
by Ladybird (2013-06-28 16:36) 

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